知ってますか?転職と「2025年問題」の関係
社会の変化を振り返って
人口の推移
今年4月10日、国立社会保障・人口問題研究所は、日本の将来人口推計(平成29年推計)を公表しました。その推計によると、約50年後の2065年の人口は8,808万人になるそうです。実に、現在の人口と比べて約4,000万人が減ることになります。
さらにその時の高齢化率は38.4%!これでも前回の5年前の推計と比べると、人口減少の速度と高齢化の進展は緩やかになっているそうです。
見方を変えて、今から50年前はどうだったのかを覗いてみると、ちょうど1967年に人口が1億人を突破したそうです。2016年の人口は約1億2,700万人ですので、50年かけて約2,700万人増えたことになります。それが今後50年で逆に4,000万人が減ってしまう。50年後にどのような社会になってしまうのか、とても想像がつかないところです。
テクノロジーも変化
今から50年前に、今の社会を想像できていたでしょうか?
内閣府「消費動向調査」によると1967年のカラーテレビ普及率はわずか1.6%。エアコンが2.8%。当然我が家には、その時代にカラーテレビもエアコンもありません。無くても何の不思議もありませんでした。それが今やカラーのブラウン管テレビでさえ過去の家電となっています。
その頃は、親や学校の先生から「テレビは1日○○時間!」と制限されている子ども達がよくいました。それが今はテレビではなく「スマホ」。
50年前にこんなことが想像できたでしょうか。
今後の50年は、今までの50年より、はるかに大きな大きな変化が起こることでしょう。
そして、最初の大きな変化が、8年後の2025年に訪れることになります。
「2025年問題」とは?
ご存知のように、2025年には団塊の世代の方々が75歳を迎えます。いわゆる「2025年問題」です。その時の75歳以上の人口は約2,200万人。今は約1,700万人ですので、約500万人増えることとなります。単に増えるだけではなく、人口が減少している中で75歳以上が急激に増えるということです。
この急激な変化で、その頃の日本の就業構造はどのようになっているのでしょうか。
転職を考えている方は、今後の社会がどのようになっているかは、ぜひ知っておくべきことです。つまり、多くの仕事は最新のテクノロジーにより機械が担うこととなり、企業は人を雇う必要がなくなってくるでしょう。
実際に製造業ではこの10年で約200万人減少しており、今後も減ることは間違いありません。
テクノロジーが進化しても、なくならない仕事があります
逆に高齢化の急激な進展により、介護職は2008年から2013年の5年間で約50万人増えています。それでも2025年には38万人不足するといわれています。同じように看護師やリハビリ関連職種も毎年増加しています。
つまり医療・福祉職は、いくらテクノロジーが進歩してもまだまだ不足しており必要な仕事なのです。
医療・福祉職は、長く働き続けることができ、子育てや介護等の制約があっても働きやすい職場が多いです。もし今の職場を辞めなければならない状況となっても、次の仕事がすぐに見つかることでしょう。
特に今後の国の財政を考えると、社会保障費の伸びを抑えなければならないので、高齢者や障がい者を「地域」で支えていく仕組みに変わっていきます。
「地域」と言っても何のことかわかりにくい話なのですが、医療と介護・福祉が共に手を取りながら対象となる方が住み慣れた地域で「その人らしい豊かな生活」が実現できるように支えていくのです。
転職をお考えの場合、これらの社会の変化を見据えたうえで、職業を選択することをオススメします。
- 長い期間安定的に働ける。
- もし仕事を辞めてもすぐに次の仕事に就ける。
- 介護や子育てなどで仕事の制約があっても働きやすい。
次の仕事は、こんな基準で考えてみてはいかがでしょう。
福原 康久 先生
大学卒業後、在宅ケア専門のクリニックに勤め。 その後、東京福祉専門学校の作業療法士科の立ち上げを行い 現在、学科の責任者を勤める。
座右の銘:人生一度きり