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コラム

「作業療法士と理学療法士の協働について」

作業療法士と理学療法士の関係

作業療法士の資格を取ろうと検討されている方からにこのようなことを言われることがあります。
「作業療法士と理学療法士は全く別な仕事だと思っていました。」

なぜ作業療法士と理学療法士という資格を調べていく過程の中でそれぞれが別物になってしまうのでしょうか。
連携しながら働くというイメージが実は無かったという方は少なくありません。
そこで、今回はどのように一緒にお仕事をしているかをお伝えします。

基本的に身体障害に対するリハビリテーションを実施している病院や施設であれば、両者がほぼ揃っています。部署としては「リハビリテーション科/部」というよう同じ診療科に属していることが多いです。近年「○○リハビリテーション病院」という専門病院が増えてきていますが、そのような場所では100名を超えるリハビリテーションスタッフが属していたりします。
作業療法と理学療法のスタートは処方箋による指示になります。医者がお薬を出すときのあの紙と一緒です。主治医がリハビリテーションを必要だと判断したときにリハビリテーション科へ処方箋を出します。その指示のもと、部署内で作業療法・理学療法のそれぞれの担当者を決めます。ここから協働作業の開始です。担当者同士で患者様の情報を共有しながら、それぞれのリハビリテーション目標を決めていきます。例えば「買い物に行けるようになりたい」という患者様の願いを目標としたのならば、理学療法では買い物に必要な歩行能力を獲得することが目標となり、作業療法では物を取る、買い物カゴへ入れるなどの具体的な動作の獲得やお金の計算などの知的能力の回復等が目標となってきます。病院や施設ではほぼ毎日リハビリテーションが実施されており、日々の変化を捉えるためには担当者同士のコミュニケーションが大切となります。

作業療法士と理学療法士の会話

理学療法士 「杖を使えば100mくらいは安定して歩けるようになってきたよ。」
作業療法士 「だいぶ歩けるようになったね。自信がついてきたって喜んでたよ。300mくらいの歩ければ買い物して帰ってこれそうだね。」
理学療法士 「そうだね。そこまで歩けるようになるにはもう少し時間がかかりそう。」
作業療法士 「その間にこちらでは、立ちながら商品を取る練習や、カゴを持ちながら歩く練習、暗算の練習を進めておくよ。」
このような会話はよくある場面で、スタッフ控え室や歩いて移動中など日常的にされています。お互いの進捗状況の確認をしながら、場合によってはリハビリテーションプログラムの微調整をしていきます。作業療法と理学療法の専門性は異なりますが、患者様のリハビリテーション目標を達成に向けて、それぞれが専門性を発揮するということが大切になります。さて、ほんの一部分でしたが作業療法士と理学療法士の協働について想像して頂けたでしょうか?

リハビリテーション医療とは実用的な日常生活が再び実現することを目的にしており、その中で理学療法士は立つ・歩くなどの基本的動作能力の回復を、作業療法士は食事や排泄などの身の回りの動作や通勤・通学、趣味などの社会適応能力の回復を目指しています。

両者を繋ぐのは
「実用的な日常生活を再び実現する」
という共通目的です。

理学療法は理学療法、作業療法は作業療法と独立意識が高くなるがゆえに違う部分を発信し続けた結果全く別の仕事と認識されていますが、実際の働く場所、業務の共通項が多いためはじめは「理学療法士を目指していたが作業療法士に進路を変更した」やその逆がおこることは多々あってよいということが言えます。
同じリハビリという概念から理学療法士を目指すか作業療法士を目指すかを考えていくというのが理想です。
双方を知ることで仕事がやりやすくなります。作業療法の目的は生活できるようになること。理学療法のやりがいは動くように戻すことです。あなたはどちらのリハビリ職に魅力を感じますか?

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この記事を書いた人

泉 良太 先生

東京福祉専門学校の卒業生。 卒業後、都内の救急病院で作業療法士として責任者を勤め、その傍らで大学、専門学校の非常勤講師として活躍。 スタッフへのマネージメントや教育をしていく中で教育に気持ちが入り専門学校の教員に転身。
座右の銘
雲の向こうはいつも青空

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