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コラム

社会福祉士の仕事教えます!

社会福祉士はどんな仕事をするのでしょうか?

社会福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」で定められた福祉専門職の国家資格です。この法律では、社会福祉士とは「専門的知識及び技術をもって、身体上もしくは精神上の障害があること、または環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連携及び調整その他の援助を行うことを業とする者」とされています。

 ・・・うーん。なんとなくわかるんですが、具体的には全然わからない、そんなところではないでしょうか。

社会福祉士及び介護福祉士法は1987年施行。今年で30年です。生まれてから30年といえば人間でいったらもう一人前。「わたくしは、これこれの仕事によって生計を立てています。」と自信をもって言えるとかっこいいです。「これこれ」には「自分の仕事で中核となる業務」「メインとなる業務」が当てはまります。しかし社会福祉士の場合、その肝心の「これこれ」の部分が、「クライエントの相談に乗って、その内容に沿って支援したり、関係機関と連携を取ったりする」という、実態を想像しにくいものであるため、何をやる人なんだかわからない、とよく言われます。

ずいぶん前の話ですが、私は自分の父親にうまく伝えられませんでした。「おまえ仕事変えたらしいじゃないか、介護の仕事かなんか」「介護施設につとめているのだが、介護の仕事はあんまりしていない」「じゃあなんだ」「いろいろだよ」「いろいろってなんだ」「介護施設はいろいろ仕事があるものだから」「だから介護の仕事じゃねえか」・・・

しかし、社会福祉士の仕事のわかりにくさ、というのは何もわれわれの説明の不手際によるものだけではありません。社会福祉士という資格制度ができて今年で30年ですが、この30年間に社会福祉の業界は大きく変化し、そのなかで社会福祉士の福祉業界の中での役割は少しずつ、しかし確実に変わってきています。

例えば2000年(平成12年)の介護保険法の施行などによって、福祉サービスの利用が措置から契約に変わったことは、福祉の現場に非常に大きな影響を及ぼしました。それまで行政が高齢者の利用する介護サービスを決定していましたが、以後、利用者が自分で選んでサービスを利用する制度に転換しました。このことは、現場の福祉サービスのあり方や考え方を、根本的に見直すきっかけにもなりました。新しい法制度が、福祉サービスの質そのものに変化をもたらした、ということが言えます。他にも日本の経済問題であったり、予想もしていなかったほど急速に進んでしまった少子高齢化問題であったり、教育のあり方であったり・・・。社会の変化が業界、ひいては社会福祉士の仕事内容の変化に大きな影響を与えた例はいくつも挙げられます。

社会の急激な変化によって、社会福祉の専門家に求められるものが変化しました。社会的役割、なんて言うと大仰ですが、地域福祉の中でのソーシャルワーカーに求められる役割は変化しています。総じて、役割や使命といったものは「大きくなっている」と言ってよさそうです。

そして、役割が変化し続けているので、「社会福祉士はどうあるべきか」ということは、社会福祉学の研究を行っているひとたちにとっても、いまだにはっきりとはわらないこととして議論し続けられています。

さて、「社会福祉士の仕事」について解説するつもりが、「社会福祉士の仕事のわかりにくさ」というテーマにすり替わってしまいました。ちょっと話を戻します。

私たちは、生活に課題を抱えた人々と「相談」をします。そして、相談を起点にして、相談に来たひとと一緒に、課題解決の方策を探り行動を起こします。課題が解決すれば、支援は一旦終りますが、同じような課題を抱えた方たちは、ここにも、あそこにも、きっと沢山いるはずです。そうして支援は続いていき、支援がうまくいけば、きっと地域社会が少しだけ、よくなります。

現代社会は人々の生活スタイルが複雑化していますので、相談内容や問題も多種多様、このことは、確かに資格や仕事のわかりにくさにもつながっていますが、反面「だからおもしろい」と言えるのではないでしょうか。

社会福祉士は「何でも屋」などと言われることがあります。褒め言葉とも揶揄とも取れますが、利用者支援のために「できることはなんでもやる!」といった心意気で仕事をしている社会福祉士の方が、日本中に沢山いるのではないかと思います。私の経験で言うと、身体障害を抱えたある利用者さんの体にフィットする車いすを、自分で作ろうとしたことがあります。木の板だとか、クッションを集めてきて、普通の車いすに据え付けることによって、利用者に安楽に坐ってもらう事ができないか、という訳です。この時は、施設の修繕や植木の剪定など、何でも一人でやってしまうIさんという、いわば「ハード面での何でも屋」の男性に協力してもらいました。しかし上司から、「そんなものを使って、万が一利用者に怪我をさせたらどうするのか」と、ひどく怒られました。私は車いすの専門家でも何でもありませんので、至極もっともの叱責です。手作り車いす計画は頓挫しましたが、自分の父親より年上のIさんが、「あんたは根っこのところで間違ったことをしているわけではない」とこっそり言ってくれたのを、今も忘れられません。

以前、わが校のある社会福祉士の先生が、授業で「一流の何でも屋になってほしい。」と熱くお話されていました。同感です。私も、自分も学生さんもそうなれたらいいな、と願っています。

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この記事を書いた人

小島 修 先生

大学卒業後、社会福祉士を取得し、高齢者福祉施設の相談員として5年間働いた後、社会福祉士を目指す学生の支援をしている。 現在FUREAI事業所で相談員として活躍している。
座右の銘
人生いつも勉強

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