100年時代の人生戦略
著者リンダグラットンさんによる、『ライフ・シフト―100年時代の人生戦略』
という本が昨年は話題になりましたが、ご存知ですか?
日本の平均寿命は、男女ともに80歳を超え、さらに毎年伸びています。
2017年3月1日の厚生労働省の公表によると、日本人の平均寿命は男性80.75歳、女性は86.99歳でいずれも過去最高を更新したそうです。
人生100年時代。
ある研究によると、「今の時代に生まれた若者は、100歳以上生きることになる」と言われています。
すると、今までのような(教育‐労働‐老後)という時間軸では生活が成り立たなくなります。
それは、今までは以下のような流れが一般的でした。
教育20年 → 労働40年 → 老後10~20年
大学や専門学校卒業まで教育を受け、あとはその知識やスキルを活かして就職。60歳の定年まで勤め上げたら、後は老後の年金生活・・・
若い世代の減少により、社会保障費や年金については、前の世代と同じようには受けられないことがわかっています。
社会人の学び直し、働き方改革、結婚についての価値感の変化、女性の社会進出、男性の育児参加など、社会の変化に合わせて私たちの生活も変わってきています。
自分がどう生きたいのかを軸に、生活(ライフ)を変えて(シフトして)いくということが書かれています。それではその時に、自分の人生にどんな戦略を描けば良いのか・・・
読みたくなりましたか?(笑)
それはともかく、もし、人生が100年あったら、
教育20年 → 労働40年 → 老後・・・? 40年!
40年間もの老後を、年金で生活していくなんて考えられませんよね。
高齢者と呼ばれる年齢になったとしても、年金をもらう側ではなく、社会を支える側でいられるように。そんな生き方が求められていきます。
どうすれば、いつまでも社会を支える側でいられるのか。
健康であることはもちろんですが、その培った知識や技術が生かせる社会があることも必要です。100年間という時間を充実させるためには、生涯にわたって学ぶことができる環境が必要です。あるいは、文化活動やスポーツ、地域活動などに関わることも重要です。
そんな社会を作るために、私たち介護福祉士にできることはどんなことでしょうか?
人生を豊かに過ごす方法は、一人ひとり違います。その一人ひとりの思いや自分らしさを大切にするのが介護福祉士の仕事です。
単純に人生に追加されていく20年を一人ひとりが充実した時間にできるのは介護福祉士なのではないでしょうか。
地域を、人を大切にして、誰もがいきいきと暮らせる社会を実現させたいですね。
高橋 利明 先生
大学で社会福祉士を学び、卒業後社会福祉士・介護福祉士として介護施設に勤務。学生時代は野球ばかりの生活を体験し、自ら教育の重要さを痛感し転身。現在介護福祉士科の責任者を務めると共に「日本の福祉現場力を高める研究大会」企画委員として活躍。
座右の銘:早寝、早起き!