コラム

国家試験と就職活動

就職活動をするのは国家試験の前?後?

医療・福祉系の国家試験は毎年1~2月に実施されています。受験者のうち、大学や専門学校など養成校に通う学生のみなさんは卒年次に国家試験を受験するため、就職活動をいつ頃行えばよいか迷ってしまいますよね。特に専門職など資格取得が必須の求人の場合、国家試験が不合格の場合はどうなるのでしょうか。

一般的な大学や専門学校など新卒の採用選考は、一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)が広報活動開始を3月1日以降、選考活動開始を6月1日以降と規定しています(17年度~19年度入社)。いわゆる「就職活動解禁日」というのは、この経団連が規定した広報活動開始日のことです。新卒学生の就職活動は、この解禁日をスタートとして3月~8月にかけて最も活発になると言われています。

一方で、国家試験の実施は卒業間近の1~2月頃。目指す資格にもよりますが、合格率を見ると国家試験前に就職活動をしても、もし国家試験が不合格になってしまったら…と不安に思う方もいるかもしれません。

 

医療・福祉系国家試験 合格率(平成29年実施回)

社会福祉士 精神保健福祉士 介護福祉士 作業療法士
25.8% 62.0% 72.1% 83.7%

(厚生労働省HPより作成)

 

就職活動は早めに始めた方がいい!

社会人の方で仕事をしながら国家試験の受験を目指す方は、基本的に中途採用となりますので資格取得後に転職活動を始めても新卒採用ほど時期による求人数の変動はありません。しかし新卒求人は医療・福祉系も一般求人と同様に、春~夏にかけてが求人のピークと言われています。

新卒求人の場合、春~夏に出される求人は採用計画に則って出されるものなので採用枠も多く新人研修の制度等きちんと整えられている法人や施設がほとんどです。一方で国家試験後の2~3月頃に出される求人は欠員補充の場合が多く、採用枠も数名のものがほとんどで、新卒と経験者から同時に応募があった場合経験者が優先して採用されることも少なくありません。新卒で就職活動をする場合は、やはり国家試験前に始めた方が有利のようです。

もし国家試験が不合格だったらどうなるの?

国家試験が必須の専門職求人の場合、内定後国家試験不合格となってしまった場合はどうなるのでしょうか。法人や施設にもよりますが、特に新卒の場合は一概に内定取り消しとなる訳ではありません。次年度の国家試験受験を条件に、1年間非常勤や契約社員など専門職の補助的な業務を行う形で採用を継続してくれる場合があります。病院など医療機関の場合、病院内での業務が難しい場合は併設の施設等で採用となる場合もあります。

人事の方から、「国家試験が心配だからと就職活動を後回しにしてしまう学生よりも、早くから積極的に就職活動をしている学生の方が意欲的な学生が多いと感じる。」という声を聞くこともあります。また、早くから就職活動を始めて早期に内定を獲得しておけば、あとは国家試験の対策に集中できるためより合格に近づけるとも言われています。

国家試験の合格ももちろん大事ですが、専門職として活躍するためにも学生のみなさんは早めの就職活動を心掛けましょう!

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この記事を書いた人

横山 実穂 先生

大学で生命倫理を学んだ後、高齢者・難病患者の在宅支援サービスを提供する株式会社の広報として働く。現在は福祉・保育業界で働くことを目指す学生の就職支援を行う。

座右の銘:誠実

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