先輩インタビュー
  • 2003年卒業生

    Yさん

    社会福祉士一般養成科

    • 社会福祉士
    • 社会福祉法人邦友会 新宿けやき園 施設長
    • 国際基督教大学出身

一人でも多くの方の生活をより良いものにできるかどうかということを自問自答しながら、この先も仕事をしていきたい

現在どんなお仕事をしていますか?

現在は、特別養護老人ホーム・障害者支援施設を併設した施設の施設長として勤務しています。 施設長の仕事は、ご入所者・ご利用者の支援に関わることをはじめとして、職員の管理、収支や設備状況の確認・改善や行政とのコミュニケーションと多岐にわたります。また現在は、コロナ禍もあり、職員の体調管理も含めていかに安全に施設を運営していくかということに心を配る必要もあります。

仕事のどんなところにやりがいを感じますか?

当園は開設して15年目にはいりましたが、私は、開設当時のオープニングスタッフ採用に関わっていました。 その時に新卒で入ってきた職員が今、施設の各部門の役職者となり、施設を支えてくれています。仕事を通して彼らの逞しい姿に触れることで、自分自身も頑張らなければと気づかせてもらうと同時に、将来この施設で育ってくれた職員の中から、未来の施設長が誕生してくれるように導くという想いが、私自身のモチベーションにも繋がっているように感じています。

在学中、どのような学生生活を送っていましたか?

元々は一般企業で事務職として勤務していた私が、福祉の世界への転身を目指して入学したのが東京福祉専門学校でした。 夜間課程(現在は昼間課程のみ)の在籍でしたので、実習が始まる前までは、昼間は銀行で派遣社員をしながら、夕方には学校に向かうという生活をしていました。 クラスには大学を卒業したばかりの若い方も多くいましたが、介護事業や異業種の会社経営者の方もいらっしゃって、色々な世代・背景の方が机を並べて一緒に勉強し、意見を交わせる環境は当時の私にとって非常に刺激になりました。

在学中に学んだことで、現在のお仕事に活きていると感じることはありますか?

社会福祉士の勉強は多岐にわたりますが、特に社会保障に関する制度論等は、在学中に学んだことが基礎になっているように思います。 福祉関連の制度は時代に合わせて刻々と変化していますが、やはり過去の制度的な流れ等を把握することがなければ、今の状況の正確な把握と将来的な予測が難しくなるとつくづく感じています。 また私のように、福祉業界の実務経験が無く飛び込んだ者にとっては、実習は本当に現場を知るのに貴重な機会でした。 実習は江東区の障害者施設での経験させていただきましたが、実習最終日がディズニーランドへの遠足の日に当たり、ご利用者の方の希望を聞きながらその実現を目指して行動した一日でした。 遠足の最後にご本人と親御さんからかけられた感謝の言葉が、自分の福祉業界においての原点のようにも感じており、その経験がなければ今の自分はなかったと思います。

将来の目標や夢を教えてください

「社会福祉士」と言えば相談援助職というイメージが一番強いと思いますが、私はこの資格が業務独占資格でなく、名称独占資格であることを逆手にとって、自分自身の仕事を限定せず元々経験していた人事・総務系の事務職としての知識と、福祉に関する知識を両方活かせる業務をしていこうと考えて仕事をしてきました。 私たちの仕事は、社会の縁の下の力持ちでなければならないと考えています。支援の必要な方を、私たちの仕事でサポートすることができれば、そのご家族はもちろんのこと、ご家族の周りの方々にも良い影響が及びます。これが重なっていけば、福祉の仕事が社会にとって、どれだけ貢献しているかということは想像に難くないと思います。 私は、自分の仕事が一人でも多くの方の生活をより良いものにできるかどうかということを自問自答しながら、この先も仕事をしていきたいと考えています。

社会福祉士を目指したいと考えている人へメッセージ

社会の変化と共に、支援者に求められる知識や能力も変わってきているように感じます。ただ、どの時代も変わらずに確実に言えることは、これほど人に深く関われる仕事はないということです。 人との関わり合いの中で、やりがいを感じられるという方であれば、大変さも大きいと思いますが、喜びはそれ以上に感じられる仕事だと思います。 福祉の仕事は、決して楽な仕事ではなく、世の中の人が考えているほど、誰でもできる仕事ではありません。 言葉によるコミュニケーションが十分に取れない方を相手にしても、ご利用者と支援者というそれぞれの立場で、共に時間を過ごす中でご利用者から発せられるサインから意思を汲み取り、支援に活かしていくプロセスは、非常に高度な「気づき」の能力とそのニーズを生活の中で満たすための「技術」が必要な仕事です。 是非、そのための「技術」を学校で精一杯学んでいただき、現場で「気づき」の能力を磨いていただける仲間を、一人でも多くお待ちしています。

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