先輩インタビュー
  • 卒業生

    Yさん

    社会福祉科

    • ソーシャルワーカー
    • オンラインカウンセリングサービス所属

『ソーシャルワーカー』の仕事も『母親』としても諦めないために!

いきなりですが!実は今、私は海外に住んでいます。 そのため、現在はオンラインを活用し「ソーシャルワーカー」の仕事を行っています。オンラインを活用するようになり、私が支援できる人は世界中にいる日本人となり、支援の幅がかなり広がりました。また、プライベートでは「母親」として2人の男の子を育てているのですが、オンラインで仕事を始めたことで、「ソーシャルワーカー」と「母親」、ふたつの役割をバランスよく両立できるようになり、今はとても充実した毎日を送っています。ただ、子どもが生まれた当初は、このような生活は想像も出来ず、夢のまた夢でした。今回は、今の生活に行きつくまでの紆余曲折、試行錯誤し続けた私の体験談をお伝えしたいと思います。

オンラインで相談業務をしようと思ったきっかけ

私は、長男を出産するタイミングで一度完全に仕事を辞めています。そして次男が幼稚園に入るタイミングで、改めて採用試験を受け、仕事を再開しました。その時点で約6年のブランクがありましたが、率直に言うと、仕事が大変というよりも「仕事」と「母親」の両立がかなり大変でした。子どもが通っていた幼稚園が、延長保育最大17時まで、且つ夏休みなどの長期休みに預かり保育をやっていない幼稚園だったこともあり、日々のお迎えが常にギリギリで、加えて長期休みの度に保育園の一時保育を利用する必要もありました。ただ、一時保育は超激戦。毎回抽選があり、抽選に落ちてしまったら子どもを安心して預けられる場所がなくなってしまいます。そのため、毎回たくさんの保育園を綱渡りしましたし、子ども2人を別々の保育園に預けることもありました。そうなると大変なのが送迎問題。毎日時間に追われ、時間とにらめっこの日々。全く余裕がありませんでした。それでも久々に働けることへの喜びに感謝する日々でもありました。そして復職して1年も経たずして、ついに抽選に全落ちし、出社できなくなってしまったことがありました。今となってはこのことが転機となったわけですが、その当時は本当に悩みました。長期間ともなると実家に預けるわけにもいかない、かといってベビーシッターを雇ってまで私は働きたいのか?そう自問自答し続け、いつしか仕事を辞める方向に気持ちが動いていきました。やっぱりまだ復職は早かったのかな・・今でもそのときの複雑で、切ない感情を覚えています。それでもやっぱり働くことを諦めたくない!子どもの幼稚園の環境も変えたくない!こうなったら在宅だ!在宅で出来る仕事を探そう!そんな思いでアンテナを張り続け巡り会えたのが、オンラインで「ソーシャルワーカー」と「相談者」をつないでくれるサービスでした。

ソーシャルワーカーを目指した原点と、続ける理由

オンラインサービスのお話をする前に、なぜ私が「ソーシャルワーカー」の仕事を大切にしているかについてお話します。 今でも覚えているのが、中学生のときに見た虐待のニュースです。そのときの『自分の親に・・』という衝撃は今でも私を突き動かすほど強力に残っています。『こんな悲しいことは絶対にこの世の中からなくしたい』この思いが私のソーシャルワーカーを目指した原点です。生涯の職業として虐待問題に関わっていきたいと決めるのはそれから少し経ってからですが、いろいろと調べていく中で「精神保健福祉士(ソーシャルワーカー)」の仕事内容に関心を持つようになりました。私は相談室にいるだけではなく、親や子に寄り添えるフットワークの軽い相談員になりたいと考えていました。そして夢が叶い、約10年「精神保健福祉士」として働いたのち、自分が母親になって実際に子育てを経験し、その子育ての奥深さから、更に親への支援の重要性を強く感じるようになっていきました。過去と現在のつながった思いを実現させるため、私はもう一度どうしても相談業務に復職をしたかったのです。

オンラインでの相談業務とは

なんとか「ソーシャルワーカー」と「母親」を両立できないか模索していた中、ようやくオンライン相談事業をしている会社に巡り会うことができました。あんなにあらゆる媒体を使って求人検索をしていたのに、なんと見つけたのは美容院でたまたま読んだ雑誌記事。これだ!!!とすぐに応募し、それから働き出して、今は1年半が経ちました。それまで面談は対面でしか経験がなかったので、始める前はオンラインでの面談はどんな感じになるのだろうか・・とドキドキしたり、対面と比べて得られる情報量に差が出るのでは・・と心配したりもしていましたが、実際にやってみると、違和感なく、むしろメリットも感じられつつ行うことが出来ています。そして予約・面談・アフターフォローまですべてをオンライン上で行っているので、通勤が不要となり、自宅が職場になりました。それにより時間をかなり有効に使えるようになりました。現在は子どもたちが学校に行っている間に面談を行い、子どもたちが帰ってきたら子どもたち中心の時間を過ごし、子どもたちが寝た後に面談記録を書いたり、やり残した仕事や勉強をしたりしています。また夏休みなどの長期休みには仕事量を調整出来、予定も管理しやすくなりました。

学生時代から変わらない「ソーシャルワーカー」としての想い

ソーシャルワーカーの仕事の大きな特徴のひとつに『資源活用』というものがあります。『資源活用』とは、相談者の性格、特技、好きなこと、経験、人脈、知識、情報、地域や所属の手当、制度、国の支援・・そして抱えてきた悩みさえも、とにかくあらゆるものが相談者自身の生きていく上で大切な資源であるという考え方です。私はこの『資源活用』を学生時代に学び、なんて素敵なのだろう・・と深く感動しました。なぜならば、この考えはクライアントに対して『生きていて無駄なことは何一つない』という力強い存在肯定メッセージにもなり、そのマインドを持ったソーシャルワーカーのサポートに深いぬくもりを感じたからです。そして、そんなソーシャルワーカーにこれから自分がなるのだと想像しただけで、とてもワクワクしたことを覚えています。また、この考えは私が人として大事にしたい価値観とも一致しています。それゆえ私の人として大事にしている考えを表現できるソーシャルワーカーの仕事に大きな魅力と誇りを感じているのだと思います。

オンラインで働くようになってからの変化

現在は海外に拠点を移し活動していますが、オンラインの仕事は、パソコンとネット環境さえ整えられればいつでもどこでも開始できるので、環境の変化があったとしても仕事を辞めることなくそのまま続けることが出来ています。私のオンラインで仕事をするようになってからの1番の変化は、やりたいことを出来ているという充足感を自分の中で得られるようになったことです。こんなにもやりがいを持てる仕事に出会えたことに感謝ですし、続けられていることにも感謝です。そして、家族との時間も友だちとの時間も、そして自分との時間もそれぞれ充実させられるようになった今の日々に本当に感謝しています。

※Yさんは本校医療福祉科の卒業生です。Yさんの働き方がIT医療ソーシャルワーカー科の目指す卒業生像に近いため、IT医療ソーシャルワーカー科の卒業モデルの一人として掲載しております。
※IT医療ソーシャルワーカー科の第1期生は2026年3月に卒業します

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