コラム

介護職員はなんで人材不足なの!?

介護の人材不足と人口

 

介護業界は仕事が大変だから人手不足だとよく言われています。しかし、本当にそうなのでしょうか?「人口」からこのことについて考えてみましょう。

2025年問題って知っていますか? 「団塊の世代が75歳以上(後期高齢者)になる」とこの時期に、今まで以上に介護職員が不足すると言われているものです。推計では後期高齢者が2200万人にまで増加し、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という、人類が経験したことのない『超・超高齢社会』を迎えると見られており、これを『2025年問題』と言います。

介護職に限らず日本全体の2025年時点の労働力のギャップ(日本経済をある程度の水準で維持するための労働者の必要数と実際に働ける人口の数のギャップ)を推計すると、実はこちらも「583万人が不足する」という結果となったというデータが出ています。(引用:https://at-jinji.jp/blog/3580/

産業別にみると、人手が不足する見込みとなったのは「情報通信・サービス業」(-482万人)、「卸売・小売業」(-188万人)、「農林水産業・鉱業」(-57万人)、「運輸業」(-49万人)、「建設業」(-39万人)、「金融・保険・不動産業」(-31万人)、「電気・ガス・水道業」(-2万人)でした。一方で余剰となる見込みなのは、「政府サービス等」(+245万人)、「製造業」(+19万人)の2つでした。それでは介護職はどうでしょう?

介護職員は増やされなけばいけない。

介護職員は2025年には237万~249万人の就業が欠かせないといわれています。現状から70-100万人は増やさないといけないのだそうです。

では、2025年の労働者となる生産年齢人口(15~64歳人口)の見込みはどれくらいかというと約6000万人とも7000万人と言われています。するとそのうちの249万人を介護人材として確保するとなると、その割合は約3.9%。なんと25人に1人が介護職員でないと間に合わないという計算になります。

 

人口減少社会の中で、すべての産業に人手が足りません。人材不足は介護の仕事だからではなく、日本が抱える構造上の問題なのではないでしょうか?

産業として若い介護業界は、これから市場が拡大して伸びていく成長分野であるとも言えます。中でも介護分野は、政府が今後取り組むべきポイントとしています。

今後のAIやICT、ロボットなどの利活用により、介護業界の働き方は大きく変わっていくかもしれませんね。

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この記事を書いた人

高橋 利明 先生

大学で社会福祉士を学び、卒業後社会福祉士・介護福祉士として介護施設に勤務。学生時代は野球ばかりの生活を体験し、自ら教育の重要さを痛感し転身。現在介護福祉士科の責任者を務めると共に「日本の福祉現場力を高める研究大会」企画委員として活躍。

座右の銘:早寝、早起き!

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