介護福祉士の給料のナゾ
お給料の正体
はじめに、現職の介護福祉士の皆さんは、自分の手元に毎月届くおカネ(給与)の正体を知っていますか??
ちなみに私は当時あまりよく考えたことがありませんでした(笑)。
と言うのも、私の介護福祉士1年目は、『措置から契約の時代』と言われる、言わば時代の流れが大きく変化する渦の真っ只中でした。
そのため、「福祉人たるものお金の話はタブー」という風潮が色濃く残っておりました。確かに介護福祉士の報酬は賃金だけではありません。支援対象の方の笑顔や元気な姿、喜びの声などを目の当たりにした時、大きなやりがいや自身のアイデンティティを実感しておりました。
そのような日々であったので、自分の給与を含む全てのおカネのことはあまり考えていませんでした。むしろそれこそが介護福祉士の高潔さとさえ思っていたので、深く考えないようにもしていました。そのため運営サイドの事務方さんとは常におカネの遣いどころについてバチバチしていました(笑)。
お金の正体
私が本気でおカネの正体を意識したのは3年目、役職に付き部下もでき、職域も広がったりした時でした。会議の中でも予算や収支や・給与改定などなどおカネの話がたくさん出てきました。その時ふと思いました。「あれ?そういえば・・・」と、「このおカネはどこからどうやって湧いてきたのか」と。
今までフタをしていたギモンが問題という形で浮上してきました。それがこちら、『自分の給与、誰からもらっているのか!?問題』。小売店や製造業、サービス業などは直接お客さんから料金や費用を受け取りますが、介護福祉士は食事やトイレ、お風呂の介護サービスをしても紙幣や硬貨を直接目にはしません。だからどうしてもお金のことに疎くなってしまうのです。
しかしそのナゾの答えを解くカギがあります。それは介護保険制度!多くの介護福祉士さんにとっては一番身近で実は遠い存在の介護保険制度。自分自身まだ使ってないですからね。でも自分の給与には大きく関係しているのです。
介護保険制度の財源は保険料50%、税金投入50%。お客様である高齢者の方々は費用の1割負担ですから、施設の収入の9割はなんと公なおカネなんです!その中から人件費として割り当てられたものが介護福祉士さんの給与となるわけです。
最後に
介護施設や福祉業界は日本経済や景気に左右されない安定的な仕事なのです。いわば公務員に近いですね。
一般企業の10年後企業生存率はなんと約6パーセント
日本では現在、約400万社という会社がある中で10年後には24万社しか生存しないというデータがあります。
つぶれない会社、なくならない仕事をしっかりと選びましょう!
永野 慎一 先生
東京福祉専門学校 介護福祉士科を卒業後、社会福祉法人へ入職。介護職、介護主任に昇格後、相談員として従事。総合企画研修部委員を務めた後、教職の仕事に興味を持ち、東京福祉専門学校の教員となる。
座右の銘:継続は力なり