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コラム

「今注目の『スクールソーシャルワーカー』とは?【平成32年度までに1,000人⇒1万人に!?】」

突然ですが、みなさん一度くらいは「学校に行きたくないな…」と思ったことがあるのではないでしょうか。

そんな時に相談する相手として『スクールカウンセラー』は有名ですよね。

不登校をはじめとする学校で起きる諸問題に心理的なアプローチで援助を行います。

モヤモヤとした心の悩みをほぐしてもらえるので、学校には欠かせない職業だと思います。

ところがこの「不登校」を例にとってみても、心の問題がすべてとは限りません。

「定期テスト」などの行事に対し嫌悪や恐怖を感じていたり、「家庭の事情」が原因となっている場合もあります。そんな場合は、本人の心と向き合うだけでは解決しないため、周囲と連携をして本人の置かれている『環境』の方にアプローチする必要があります。

そこで登場するのが『スクールソーシャルワーカー』です。

ソーシャルワーカーとは主に社会福祉士や精神保健福祉士の資格をもった専門職のことで、

その人が抱える問題に対し、さまざまな機関と連携しながら、解決に向けた支援を行なっていきます。

カウンセラーが心の中の問題に向き合うのに対し、ソーシャルワーカーはその人の外(環境)で起きている問題に向き合います。

増え続ける不登校の問題はもちろん、障害や精神疾患を抱える児童生徒の問題、イジメ・暴力の問題、児童虐待の問題など、ますますスクールソーシャルワーカーが必要とされる時代となりました。

◯「チーム学校」という考え方

いくら教員以外の専門家を増やしたところで、互いを理解し、協働しあうことができなければ意味がありません。そこで中央教育審議会が平成27年より「チーム学校」という方針を出しました。チーム学校とは、「校長のリーダーシップの下、カリキュラム、日々の教育活動、学校の資源が一体的にマネジメントされ、教職員や学校内で多様な人材が、それぞれの専門性を生かして能力を発揮し、子供たちに必要な資質・能力を確実に身につけさせることができる学校」のことを指します。

子どもたちの問題行動の背景には、多くの場合、子供たちの心の問題とともに、家庭、友人関係、地域、学校など子どもたちが置かれている環境の問題があり、子どもたちの問題と環境の問題は複雑に絡み合っています。  単に子供たちの問題行動のみに着目して対応するだけでは解決できません。

より効果的に対応していくためには、担任のみで対応するのではなく、福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーや心理の専門家であるスクールカウンセラーを積極的に巻き込み、チームで支援をおこなうことが重要なのです。

このようにスクールソーシャルワーカーの重要性が増してきています。

◯現在のスクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの人数

スクールカウンセラーは、文部科学省が「心の専門家」として、臨床心理士などを平成7年度から配置を始め、平成26年度には22,013名(配置)なっております。

スクールソーシャルワーカーは平成29年に初めて教育の法律に明記されました。

平成26年度時点で1,186名しかおりません。

しかしながら国は、平成32年度までに1万人に増やすとしており、ここ数年で大きく増えていくことが予想されます。

出典:学校における教育相談に関する資料 文部科学省初等中等教育局児童生徒課(平成27年12月17日)

○ソーシャルワーカーの今後

 私は以前、精神科のクリニックで主に子どもの精神疾患や発達障害を抱える方の支援を行っていました。関わる中で、もちろん学校に行けない子ども本人も苦しい思いをしていましたが、それと共に、ご家族や学校の先生もどうしたらいいか困っているケースがありました。各々、相手のことを考えて行動しているのに、全てのことが悪い方向に動いてしまうことがありました。そこで私は、その絡んだ糸をほぐすように、ご本人やご家族だけではなく、学校の先生や、関係機関などひとり一人と話をし、どの方向性でいけばよいのか、絡んでいる糸の原因は何かを探っていきました。そのことにより問題の解決に向かったことがありました。

 ソーシャルワーカーは問題を抱えている本人だけでなく、周りの環境に目を向け調整をしていきます。また、表面上に出てこない潜在的な問題に目をむけ、一緒に解決をしていきます。すぐに問題が解決しなくても、一緒に考え、その方がその人らしく生活が送れるようにしていきます。

多様化している社会の中で今後、社会福祉士や精神保健福祉士をはじめとするソーシャルワーカーが必要とされ、活躍するフィールドも増えてくると考えています。

引用・参考文献

「文部科学省 学校及び教員を取り巻く状況に関する参考資料」

「文部科学省 中央教育審議会 チームとしての学校のあり方 平成28年1月」

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この記事を書いた人

久保田 千尋 先生

<専門> 精神保健福祉 <略歴> 本校の「スクールソーシャルワーカー」 大学卒業後、老人保健施設で介護福祉士として働く。その後、精神保健福祉士としてクリニックでデイケアを中心に7年間勤め、通信制教育機関での学生サポート及び家庭のサポートに従事、その後本格的に教育の仕事へ転進し今に至る。
座右の銘
意味のないことはない。 全てのことに意味がある。

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