コラム

テクノロジーの力で介護の課題を解決するには?

先日、東京ビッグサイトにて国際福祉機器展が開催されました。

なんと今回で50周年とのことで、第1回は1974年で来場数は9,641人の入場者数だったそうです。当時は福祉施設職員の腰痛が問題になっていて、設備の近代化、業務の省力化により、就労環境の整備や利用者様への安全な介護の提供を目的に開催されたそうです。第50回となる今回は、11万人を超える来場者でコロナ前の動員数と同等の来場でした。

このように注目されている福祉機器ですが、中でも介護ロボットの展示も非常にたくさんありました。

”介護はロボットがする”という時代がくる?

「介護ロボット」と言われると映画やアニメに出てくるような2足歩行ができて人のように動けるものをイメージするかもしれませんが、「ロボット技術」を介護に応用したロボットのことです。介護ロボットを使えば人の能力の限界による「無理」を超えることができるのです。

どんなものがあるか簡単にご紹介します。

 

例えば、だんだん身体が不自由になってきた高齢者の方をイメージしてください。

・おもらしをしないようにしてあげたいけど、あと何分たったらトイレに行きたくなるかなんて本人にもわからないし・・・

・おむつの中で排尿があったらすぐにおむつ交換したいけど、いつ出たかなんかオムツを外してみないとわからない・・・

・住み慣れた家で一人暮らしさせてあげたいけど、転んでしまうかもしれないから目が離せないし心配だ・・・

などなど。

 

これ、テクノロジーの力で解決できます。

ケアに活かすテクノロジーということで「ケアテック」と呼ばれています。

 

・腎臓で作られる尿の量を測定して、いつ排尿があるか予測してお知らせしてくれるデバイスがあります。

・おむつの中に排泄があれば、AIがそれを検知してスマホに通知でお知らせしてくれるセンサーがあります。

・転倒するリスクを、身体状況のデータや環境から予測することができます。もしも転倒してしまったとしても、すぐにセンサーがお知らせしてくれます。

 

ケアテックでできることのこれらはほんの一部です。

時代とともに求められるものは変化しているのでしょうが、第1回目の国際福祉機器展から、現在に至るまでずっと介護職員の働きやすさ、利用者様の安全な生活が考えられてきているのですね。技術はどんどん進んでいくでしょう。

少子高齢化が続く日本の社会で、DX(デジタルトランスフォーメーション:デジタルの力を活用して、今までのやり方や考え方を変革してしまうこと)は全産業で求められています。介護も同様です。

とは言え、介護ロボットがどんどん開発されていても、使うのは「人」です。

 

次のコラムでは、これからの介護職員に求められる能力について触れていきます。

 

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この記事を書いた人

高橋 利明 先生

大学で社会福祉士を学び、卒業後社会福祉士・介護福祉士として介護施設に勤務。学生時代は野球ばかりの生活を体験し、自ら教育の重要さを痛感し転身。現在介護福祉士科の責任者を務めると共に「日本の福祉現場力を高める研究大会」企画委員として活躍。

座右の銘:早寝、早起き!

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