保育士と幼稚園教諭の違いを徹底比較|仕事内容・資格・給料・ 働き方の違いと選び方まで解説

「保育士と幼稚園教諭って何が違うの?」「両方の資格を取るべき?」「給料や働き方はどう違う?」
保育士と幼稚園教諭は、どちらも子どもの成長を支える仕事ですが、管轄・対象年齢・目的・資格・働き方に明確な違いがあります。この違いを理解することが、自分に合った進路選びの第一歩です。
この記事では、保育士と幼稚園教諭の違いを仕事内容・資格・給料・働き方の観点から比較表つきで解説し、認定こども園での働き方や資格の取り方まで、東京福祉専門学校のこども保育科の視点からわかりやすく解説します。
目次
はじめに:こどもと関わる2つの資格「保育士」「幼稚園教諭」
こどもが好きで幼児教育・保育の世界を目指そうと考えるとき、まずこの2つの資格の違いについて、疑問を持つことでしょう。
こどもに関わる仕事がしたいなら、2つとも取るべき?資格が取れる学校を見てみても、
「両方取れます」「保育士だけ取れます」「保育士は全員、幼稚園教諭は取るかどうか自分で選べます」など様々です。
結論から言いますと、私の一番のおススメは、「まず確実に保育士を取得すること」です。幼稚園教諭の免許は、最初は無くても全然大丈夫です。
なぜそこまで保育士資格をおすすめするのか。
最大の理由は「一生モノの安定性と、働き方の自由度」にあります。
幼稚園教諭の免許が活かせるのは主に幼稚園ですが、保育士資格があれば、
一般的な保育園はもちろん、企業のオフィス内にある保育所、病院の院内保育、
さらには小学校の放課後に子どもを預かる学童保育や、福祉施設など、活躍の場が驚くほど広がります。
結婚や引越しなど、あなたのライフステージが変わっても、日本全国どこでもすぐに仕事が見つかるのが保育士の強みです。
「でも、最近は『認定こども園』というのが増えているので働くには両方必要では?」と思うかもしれませんね。
実は、こども園でも保育士資格だけで担当できるクラス(0~2歳児や、夕方までの長時間預かりの3~5歳児)がたくさんあります。 さらに嬉しいことに、国は今、保育士の働く環境をどんどん良くしようと動いています。お休みを取りやすくするための人員配置の改善や、お給料のベースアップなど、追い風が吹いているのはまさに保育士です。
幼稚園教諭の免許は、保育士として現場を経験した後に「やっぱり欲しいな」と思ったら、働きながらでも国のお得な特例制度を使って、
とても簡単に取得することができます。ですから、まずは焦らず、確実に「保育士資格の取得」を目指すことをお勧めします。
大学や短大、専門学校で2つの資格を取得しようとすると、当たり前ですが2つの資格に必要な授業と1つだけの資格の授業では科目数が違います。たくさんの単位を取る必要がありますし、大学だと4年間もかかります。短大や保育士は2年間でとれますが、
2年で両方の資格をとるためには、現場で実習するという単位が2つとも必要です。
では、ここでこの2つの資格の違いについて少し整理してみたいと思います。
【一目でわかる】保育士と幼稚園教諭の3大違い
どちらも子どもの成長を最も近くで見守り、保護者を支えるパートナーと言えます。
保育士は、履歴書に書くような正式名称は「保育士資格」と書きます。2003年の児童福祉法の改正で、国家資格になりました。幼稚園教諭は、教諭とついているように先生という資格となります。なので履歴書は、「幼稚園教諭免許」となります。
ちょっと、違いがわかるように簡単に整理してみましょう。
| 項目 | 保育士 | 幼稚園教諭 |
|---|---|---|
| 資格の種類 | 保育士資格(国家資格) | 幼稚園教諭免許状(教員免許) |
| 管轄 | こども家庭庁(児童福祉) | 文部科学省(学校教育) |
| 目的 | 保育(生活全般のサポート) | 教育(小学校以降の基礎づくり) |
| 対象年齢 | 0歳~小学校就学前 | 満3歳~小学校就学前 |
| 主な勤務先 | 保育所・児童福祉施設・認定こども園など | 幼稚園・認定こども園など |
| 働く時間 | 朝~夕方・夜まで(シフト制が多い) | 基本は朝~夕方(預かり保育あり) |
| 平均年収 | 約407万円 | 約410万円 |
| 働き方 | 複数担任制・シフト制が多い | 担任制が多い |
| 必要な資格 | 保育士資格 | 幼稚園教諭免許 |
| キャリアパス | 主任保育士・園長・専門リーダーなど | 主任・副園長・園長など |
| キャリアアップ | 研修を通して専門分野のリーダーなどを目指せる | 教員として経験を積み、主任・管理職などを目指せる |
| 向いている人 | 子どもの生活や成長を幅広く支えたい人 | 子どもの教育・学びを中心に関わりたい人 |
(参考:内閣府「令和6年度データ」・厚生労働省 賃金構造基本統計調査)
基本的にどちらの資格も、養成校と呼ばれるこの資格が取れると認められている学校に入学して、卒業すると資格が卒業と同時に取得できます。
多くの医療系の資格や、福祉系資格は違います。養成校を卒業しても、受験資格があるだけです。つまり卒業時に国家試験を受けて、合格しなければ資格を得ることができません。これも、この仕事をおススメする理由の一つです。
保育士と幼稚園教諭の仕事内容の違い
保育士の仕事内容
保育士は0歳〜就学前の子どもを対象に、食事・睡眠・排泄などの生活全般のサポートを中心に行います。遊びを通じた成長支援・保護者支援・健康管理なども担います。「生活の場」を支えるのが保育士の役割です。
幼稚園教諭の仕事内容
幼稚園教諭は満3歳〜就学前の子どもを対象に、教育要領に基づいたカリキュラムに沿って、集団活動・音楽・造形・運動などの「授業(主活動)」を中心に行います。小学校進学に向けた基礎づくりを担う「学びの場」を支えるのが幼稚園教諭の役割です。
共通する仕事
どちらも、子どもの成長を近くで見守り、保護者を支えるパートナーです。行事の企画・準備、記録・書類作成、子どもの安全管理などは両者に共通する業務です。
保育士と幼稚園教諭の給料の違い
内閣府・厚生労働省のデータによると、保育士と幼稚園教諭の平均年収はほぼ同水準です。
| 職種 | 平均年収 |
|---|---|
| 保育士 | 約407万円 |
| 幼稚園教諭 | 約410万円 |
かつては幼稚園教諭のほうがやや高い傾向がありましたが、近年の保育士の処遇改善(2024・2025年と2年連続で約10%以上の給与増額)により、両者の差は縮まっています。給料の詳細は勤務先・地域・役職によって大きく変わります。
保育士の年収について詳しくは以下の記事をご覧ください。
→【関連記事】保育士の月収・年収はどのくらい?ボーナスや年齢別の給料も紹介
認定こども園ではどちらの資格が必要?
「認定こども園が増えているから両方の資格が必要では?」という疑問を持つ方は多いでしょう。
認定こども園のうち「幼保連携型」で働くには、保育士資格と幼稚園教諭免許の両方を持つ「保育教諭」であることが必要です。ただし以下の点を押さえておきましょう。
・0〜2歳児クラスは保育士資格だけで担当できる
・長時間預かりの3〜5歳児クラスも保育士資格で担当できる場面が多い幼稚園教諭免許は、保育士として働きながら特例制度を使って後から取得できる
幼保特例制度について
保育士資格を持つ方が実務経験を活かして幼稚園教諭免許を取得できる「幼保特例制度」は、2030年3月末まで延長されています。まず保育士資格を取得し、必要になったら幼稚園教諭免許を追加する流れが現実的です。
保育士・幼稚園教諭の資格の取り方
資格取得の2つのルートは以下の内容になります。
| ルート | 特徴 |
|---|---|
| 養成校(専門学校・短大・大学)を卒業 | 卒業と同時に資格取得・実習が充実・確実に目指しやすい |
| 保育士試験に合格 | 受験資格が必要・合格率は例年20~30%と難易度が高い |
資格は、養成校に入学して卒業と同時に取得する他にも、受験勉強をして取得する方法もあります。保育士や幼稚園教諭は、
2年間の養成校が多いですが、受験することですぐに取得することを目指したいと考えている方もおられるかもしれません。
受験するためには、少し条件があります。1991年(平成3年)4月1日以降に高等学校を卒業した方は、2年以上(2880時間以上)の実務経験という、現場で実際に働いた経験が必要になります。
現場で働かず、高校卒業が最終学歴で受験できるのは、1991年(平成3年)3月31日以前に高等学校を卒業した方々です。中学校の卒業が最終学歴の方は、5年以上(7200時間以上)の経験が必要です。
現場で働く、多くの保育士さんとお話をする機会がありますが、資格を持たずに現場で働いている方は、昔はいましたが今はほぼいないということです。法律はありますが、現実的ではないかもしれません。職員を採用する側も、資格がある人ということで募集をしているそうです。
やはり私のおススメは、養成校に通って、卒業することで資格を取得する方法です。現場で働いていれば、経験があるのでこどもたちへの対応ができると判断されての受験資格ですが、命を預かる仕事でもあります。ただの預かりが仕事ではありません。
しっかりと、基本を学んでプロとして、整理された状態で知識を得る。得た知識を実践できる確かな技術。トライ&エラーを繰り返す失敗するチャンスと時間、指導者がいる環境で、学んでからこどもたちと接して欲しいと考えているからです。
こどもたちは、大人ではありません。自分の言葉で、状況や気持ちを上手に説明することはできません。確かな目と耳で、こどもたちを見守り、よりよい指導を
してもらいたいものです。そのようなことを考えると、できるだけこどもたちと接する練習、保護者の方たちとお話ができる経験を多く体験できる養成校を選ぶことをお勧めしたいと思います。
自分にあった、学び方を選んでぜひ、「こどもが好き」という気持ちを仕事につなげてください。
保育士と幼稚園教諭の違いに関するよくある質問
Q. 保育士と幼稚園教諭の一番の違いは何ですか?
A. 管轄と目的が最も大きな違いです。保育士はこども家庭庁管轄で「保育(生活のサポート)」が目的、幼稚園教諭は文部科学省管轄で「教育(学びの基礎づくり)」が目的です。対象年齢も保育士は0歳から、幼稚園教諭は満3歳からと異なります。
Q. 保育士と幼稚園教諭では給料はどちらが高いですか?
A. 現在はほぼ同水準です(保育士約407万円・幼稚園教諭約410万円)。かつては幼稚園教諭がやや高い傾向でしたが、近年の保育士の処遇改善により差は縮まっています。
Q. 認定こども園で働くには両方の資格が必要ですか?
A. 幼保連携型認定こども園で働くには両方の資格(保育教諭)が必要ですが、0〜2歳児クラスや長時間預かりのクラスは保育士資格だけで担当できます。まず保育士資格を取得し、必要になったら特例制度で幼稚園教諭免許を追加する方法もあります。
Q. 保育士と幼稚園教諭はどちらが取得しやすいですか?
A. どちらも養成校を卒業すれば取得できますが、活躍の場の広さから、まず保育士資格の取得がおすすめです。
Q. 幼稚園教諭免許だけで保育園では働けますか?
A. 原則として働けません。保育園で働くには保育士資格が必要す。同様に、保育士資格だけで幼稚園の先生になることもできません。両方の場で働きたい場合は、両方の資格取得がおすすめです。
おわりに:あなたの「子どもが好き」を形にする

「こどもが好き」を形にすることを応援しています。
保育士がAIに仕事を取られない最大の理由は、「言語化できない感情の汲み取り」と
「臨機応変な身体的サポート」が同時に求められる仕事です。
過去のデータ、法律、数式などの「明確なルール」に基づいて書類を作ったり計算したりする仕事や、仕事相手が自分の言葉で自分の困った事は自分の状況を説明できる場合、AIに尋ねることで
解決可能になります。
保育士の仕事は違います。子どもは「マニュアル通り」に動きません。
さっきまで笑っていた子が急に泣き出した時、それが「眠いのか」「お腹が痛いのか」「寂しいのか」を、AIがデータだけで正確に判断することは不可能です。
保育士の仕事は、単に子どもを「預かる」ことだけではありません。
昨日までできなかったことができるようになった瞬間を特等席で見守り、子どもたちが心の中に持つ「好き」や
「やってみたい」の種に、毎日たくさんの水をまく仕事です。
保育士の忙しい日々の仕事をAIが助けてくれるようになることはあっても、必要ないということはない職業です。
最後に、保育士を取得した先輩たちの声を紹介します。
「お昼寝なんてしない。もう5歳さんだから」と先日誕生日だった女の子が言っていました。じゃあ先生とお話してようかといいながら、お布団に一緒に入って横になってお腹をトントンと叩いてあげていると、スヤスヤとねてしまいました。
本当にカワイイ寝顔を見れて、本当に癒されました。
砂場で、一生懸命砂を集めて、お水を足してと何かを作っている3歳の男の子がいたので、何をつくってるの?と聴いたら、「ないしょ」「あとで、教えてあげるから、今は忙しいから話しかけないで」とまるで大人のような表情で
真剣いうので、そっとしておきました。遊びの時間が終わるので、お部屋に入ろうね~とみんなに声をかけていたら、
その子が呼びに来て、「教えてあげる」と言うので一緒に砂場に行きました。そしたら、葉っぱや木の枝が上にちりばめられてなんだか豪華になっていたので、すごいね~と言うと、「これ、プレゼント」「これあげる」「持って帰っていいからね」と言われてビックリしました。私が、今日誕生日だったことを覚えていてくれたようです。本当にうれしかったので、思わず抱きしめてしまいました。
大変なことも多い仕事ですが、こんな日常が待っている仕事でもあります。ぜひ自信をもって、「こどもが好き」を形にしてください。応援しています。