コラム

保育士の試験はどんな試験?

 

保育士の資格を取得するには大きく分けて2つの方法があります。
1つは「保育士養成校」とよばれる学校に2年以上通学し、卒業すること(ここでは『養成校コース』とつが、「保育士試験」を受験し、合格することです(「試験コース』と呼びます)。

『養成校コース』は2~4年専門学校や・短大・大学に通い卒業します。かかる費用は200万円以上です。

『試験コース』は専門学校卒業以上の学歴で国家試験を受けることができます。(平成3年までに高校を卒業された方も含む)

保育士の国家試験は、人材難のため平成28年度からこれまで年1回だった試験が2回実施となりました。
試験の内容は、筆記が8教科9科目()、実技3科目中2科目選択となります。筆記については全科目6割以上得点できて合格となります。

筆記試験の科目を全て合格したら、その後の実技試験に進めます。

 

筆記試験の科目

保育原理/保育の心理学/教育原理※/社会的養護※
児童家庭福祉/社会福祉/子どもの保健/子どもの食と栄養/保育実習理論

 

実技試験の内容(3つ中2つ選択)

□ 音楽表現:ピアノ・ギター・アコーディオンのいずれかを選択し、課題曲の弾き語り
□ 造形表現:課題の通り絵を描く
□ 言語表現:課題をもとに子ども向けに3分間、何も見ずにお話をする

「8教科9科目」について

「教育原理」と「社会的養護」は2つでワンセット扱いとなります。「教育原理」と「社会的養護」は各50点満点で、それぞれ6割以上の得点が必要です。
例えば、「教育原理」が8割、「社会的養護」が2割得点できたとします。その場合、「教育原理」は合格、「社会的養護」は不合格とはならず、「教育原理」と「社会的養護」の両方が不合格となります。

保育士試験 合格までの道

保育士の国家試験は、全ての科目で6割以上の取得が必須なことから、数年かけて合格することができます。
筆記試験で合格した科目は、合格した年を含めて3年間は受験が免除されます。今年受かった科目は、来年と再来年は試験を受けずに「合格」と認めてもらえるため、受験科目数を減らすこともできます。

一発合格に必要な条件と合格率

平成28年度(2016年度)は試験が2回になり、合格率も全体的に向上しました(H27年度22.8% H28年度25%(前後期合計))とはいえ、一夜漬けでは合格できません。
勉強期間や費用の心配がなければ、数年がかりでの合格を目標に1つ1つ勉強を進めるのも選択肢としてはあります。ただ、受験料は毎回かかることに加え、3年以内に合格しないとまた1からやり直しになってしまうため、早く保育士として働きたい方や長期での勉強が苦手な方はやはり一発合格を目指して勉強していったほうが最終的には得策といえます。

 

保育士試験の合格率が低い理由

合格率が低い大きな要因の1つは、合格基準が調整されない点です。平均点が高い年でも低い年でも、常に6割以上の得点を求められるため、例年と比べて難易度が上がった年でも、変わらず得点を出せなければ不合格となります。
例えば、他の福祉系の科目であると国家資格「社会福祉士」などは、その年の難易度によって合格ラインの調整が行われます。そのため、難易度が高く平均点が下がった年も、合格者数が激減せず、合格率もある程度の数値を保っています。

この合格基準が調整されない点に加え、科目が多く勉強範囲が広い全科目6割以上の得点必須科目間の配点調整がないことが、合格率の低さにつながっています。

 

保育士試験 一発合格を目指すには

試験の一発合格は、「効率的に勉強できるかどうか」にかかってきます。科目数が多いため、全ての勉強を試験日までに終わらせて、かつ、最初に覚えたことを忘れてしまうことのないような対策が必要です。そのためには、効率的な学習が不可欠。特に仕事を持ちながら保育士試験を受験する人は、勉強に割ける時間がどうしても少なくなってしまいます。自分の時間の中で勉強が完了するよう、スケジュールを立てて着実に進めていく必要があります。
また、一人だけで勉強していてもモチベーションが保ちづらく、挫折してしまうことも多々あります。同じ目標をもつ仲間と一緒に勉強することが、モチベーションを保つ秘訣でしょう。

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この記事を書いた人

菊地 慶 先生

学生サービスセンターにて、学費・奨学金手続きの担当を行い、多くの学費相談対応を行う。その後、こども保育科夜間主コースに異動。学費や学校生活、就職など、幅広い相談に対しサポートを行い、現在、夜間主コース,保育士受験対策科の学科責任者を務める。

座右の銘:「やらない後悔」より「やった後悔」

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