「どうして、人は同じものを見たり、聴いたりして違う反応をするの?」
「心理学」を学ぶと、世の中や今の自分の周囲の出来事が、違って
見えてくる。そんなことを感じられると思います。きっと今年の4月に入学した1年生は
今、一番感じているのでは?
今回は、同じ経験をしているのに、その時に感じていることや、
考えたことが、みんな違う。
授業を聞いただけで、だいたい理解できる人がいる。あの人は
頭が良いから、私とは違うんだ。
こんなことは、日常では良くあることだけど、なぜだと思います?
人は、それぞれ違うから、もともと頭がいいからと、
納得してませんか?
それは、違います!
そう、全員違う人、でも同じような感じ方や考えの人もいますよね。
そんな人と出会えば、すぐに仲良くなって、嬉しい気持になりますよね。
そんな現象を心理学の1つの知識を使って説明したいと思います。
例えば、「野菜の名前を出来るだけ多く、1分間に出してみて」
と言われたらどうしますか?
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・スーパーの野菜売り場を思い出して、端から順番に言っていく?
・「あ、い、う・・」と順番に、「あ」のつく野菜の名前から考える?
・野菜が畑にあるような場所をイメージして、1つ1つを思い出す人もいますね。
こんな風に、同じ質問をされても、頭の中は別の事を考えて、答えを出します。
これは、「認知」という人の脳の働きが、その人の一番思い出しやすい方法を選んで、
考え方を、決めてくれているのです。
この「認知」は、崩れると「認知症」というお年寄りによくみられる病の1つとして有名な
物忘れが起こったり、現在の状況が上手く理解できなくなったりする、ことと
同じ働きです。
つまり、人の「考え方」「物事の捉え方」を「認知」と呼んでいます。
その「認知」と呼ばれる、脳の働きには、人によって「得意な認知」と「不得意な認知」に分かれます。
見たり、聴いたり、考えたりする時に使うものなので、自分の楽な、得意な
方法を普段から使っています。だから、その人らしい考え方や、判断だなと周囲の
人も納得できるような特徴が、現れやすくなります。
つまり、「認知特性を調べると、自分にあった勉強法や、職業が分かる」とも
言われる程に、実はよく活用されているものなのです。
「言葉で、聴いているだけでは全く想像できない」という人もいれば、
「言葉で、説明されている間に、自分の頭の中で映像が思い浮かぶ」という人もいます。
「新しい携帯電話が欲しいな」と考えたとき、
![](/wp-content/uploads/column/2018/06/mobile-phone-1917737_1920-640x427.jpg)
とりあえず、お店に見に行って、沢山の携帯電話を実際に触ってみて決める人。
パンフレットや、それぞれの携帯電話の特徴、機能を比べられる情報がないと決められない人。
とりあえず、一番新しい、最新のもの から順番に選んで、あとは金額しだいかな?と思う人。
あなたは、どのタイプですか?
東京福祉専門学校の「キャリアデザイン科」では、その「認知特性」を
見つけることができる体験を、学校見学会で行ってますで、
自分の「認知特性って何だろう?」「向いている仕事ってなんだろう?」
と興味を持った人は、ぜひ参加してみてください。
何をやっても苦手だ、上手くいかない と思っているあなた。そんな人は、
きっと自分の「認知特性」に合わないやり方を、学校の先生が、
そう言うから。
友達が、そうやって勉強しているからマネしていた。
ということはありませんか?
人はみんな、違うのに!!
簡単な質問に答えるだけで、わかるので今後の勉強方法にも役立ちますよ。
次回は、人はなぜ同じ事を聞いて、見ているはずなのに、別の印象を
持ったり、覚えている事と覚えていない事に差が出るのでしょうか?
「あの人は、頭がいいから~」と思ってませんか?
本当にそうでしょうか?次回、詳しく解説します。
社会福祉科2年生は、
5月中に、この知識を得て、人間の心理を勉強します。
知り合いのいる人は、質問してみてください。きっと上手に説明してくれます!
山岸 有里 先生
精神保健福祉士・臨床心理士・公認心理師の資格をもち、本校学生相談室を担当しながら心理カウンセラー科の講師も担当する。
座右の銘:未来の自分にとって優しい選択をする