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コラム

社会福祉士の役割とは 「人の生活」から考える

今日、COVID-19が世界中で猛威を振るい、多くの方が「健康」に悩まれています。医師・看護師といった医療分野ではなく、福祉分野の社会福祉士が関わる「健康」について考えてみましょう。

目次

1、疾病から考える「健康とは」

2、社会福祉士が携わる「社会的な健康」とは

3、人権と社会正義を支持する社会福祉士の役割

4、高度な専門知識と技術をもつ社会福祉士になるために必要な学びとは

1、疾病から考える「健康とは」

Covid-19(通称:新型コロナウィルス)が2019年12月より流行し始めて、約2年半が経過しました。2022年5月下旬において、日本国内においては約900万人の国民が感染した数値となっています。

歴史的なところから見ていくと約100年前にも類似した出来事がみられます。いわゆる“スペイン風邪”です。このスペイン風邪は1918年から1921年にかけて世界中で流行したインフルエンザです。

過去の歴史の中では、これらの感染症の他にも天然痘やペスト、SARSなどがありました。感染源や感染後の症状の違いは様々ありますが、共通して考えなければいけないのは、身体的な健康の保持つまりは、‟病気を治療すること“のみを考えればよいということではありません。

1977年に精神科医であるジョージ・エンゲルは生物医学モデルに対比する疾患モデルとして、生物(Bio)-心理(Psycho)-社会(Social)モデルいわゆるBPSモデルを提唱しました。WHOにおいても、健康とは「病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態」と定義されています。

生物学的な健康を保つために医師や看護師といった医療職が尽力していて、心理的な健康を保つために、臨床心理士や公認心理師などが尽力しています。では、社会的側面の健康とは何かについて述べていきたいと思います。

2、社会福祉士が携わる「社会的な健康」とは

社会的な健康を考えていくときには、地域の特性や生活史などから「人と人」のつながり、「人とサービス」のつながり、「人と地域」のつながりなどといった観点から、誰もがその人らしく、安心して生活することができているのかを考えていかなければいけないのです。この点に関して尽力しているのが社会福祉士であり、別称で“ソーシャル”ワーカーといわれています。当然ながらここでは、憲法第25条生存権「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」ということを前提として考えなければいけません。

ここで生存権について、もう少し考えていきましょう。「最低限度の生活」とはなんでしょうか?衣食住に困らないことが最低限度の生活なのでしょうか?屋根があり、雨風がしのげる場所があれば最低限度の生活なのでしょうか?

3、人権と社会正義を支持する社会福祉士の役割

日本には三大簡易宿泊所の街として、東京都の山谷、神奈川県の寿町、大阪府の西成があります。東京福祉専門学校の社会福祉科に在籍する2~4年生で医療関係の就職を目指す学生13名が神奈川県横浜市中区の寿町を訪問しました。

この学生達は医療ゼミに在籍しており、福祉分野に限定せず、医療・教育・倫理といった様々な分野の社会課題を考察し、テーマとして取り上げ、ディスカッションをしています。今まで「胃ろうを選択・拒否することについて」や「正常と異常とは」といったテーマを取り扱ってきました。

これは、学生自身が福祉分野のみの狭い世界にとらわれず、多角的な視点をもって論理的に考えることが出来る思考力を身につけることと、思考の枠を拡げることを目的としています。社会は常に変化しており、上述にも記載した感染症の影響は大きな社会変化をもたらしています。つまり、現存する法律や制度、サービスでは対応できなくなる時代は確実に近づいています。その時に、枠にとらわれず、変革と開発に携わることが出来る力となります。

今回、なぜ寿町を訪問することにしたかの経緯について触れていきたいと思います。先にも述べたように、寿町は三大簡易宿泊所の一つです。すぐ近くに有名な横浜中華街や桜木町、みなとみらいといった観光名所があり、メディアでもよく見るでしょう。この三大簡易宿泊所の一つである寿町は横浜中華街から歩いても約10分程度の近場にあります。寿町を検索すると‟怖い“ ‟汚い” ‟危険“ といった言葉が出てきます。

これは本当のことなのでしょうか?現在、情報は簡単に収集することができる便利な時代になりました。ただ同時に気をつけなければいけなのは、表面上のことを鵜吞みにするのではなく、事実を確かめ、正しい情報を得る必要があります。つまり、机上の理論で学べることには限界があります。そのため、机上の理論のみで学びを終わらせるのではなく、五感をつかって学ぶことが重要です。

実際に寿町は高齢化率55%となっており、今後日本が迎えることになるであろう超高齢化社会の縮図のようなものです。実際に足を運び、街並みを見れば一目瞭然で気づくことが出来ると思います。ほかにも、地域の方々が協力して花壇活動を行うことによりごみの不法投棄がほとんどされていないことも伺えます。同時に、ごみの不法投棄は寿町の外から運ばれてきたごみであることが、不法投棄物の内容から考えることが出来るのです。

4、高度な専門知識と技術をもつ社会福祉士になるために必要な学びとは

このような事実は実際に足を運び、この寿町のソーシャルワーカーから話を聞き、目で見て、肌で感じなければ分からないことでしょう。そして、誤った情報とイメージにより、臭い物に蓋をするような差別・偏見は決してあってはなりません。すべての人に人権があり、これは他人が侵害していいものでは決してありません。

社会福祉士は社会正義と人権といった、全ての人があらゆる暴力や差別、貧困、抑圧、排除などがない自由・平等・共同に基づく社会の実現を目指していかなければならないのです。

冒頭にも述べたように、covid-19が全ての要因とはいえませんが、私たちの生活を大きく変化させた一つの要因でもあります。そして、社会的課題は多岐にわたり、多くの課題が存在していますが、昔から変わらないものも存在しています。それは、社会福祉士は対人援助職であり、「人の権利」を中心に業務にあたっているという点です。これは医療ソーシャルワーカーに限らず、すべてのソーシャルワーカーに共通することだといえます。

今後、専門学校の教育においても、学校の中での学び、いわゆる机上の理論のみではなく、現場に足を運び五感を使った学びを大切にしていきたいと考えています。

 

【参考】

厚生労働省FORTH

公益財団法人結核予防会 TBアーカイブだより第398号 100年前のパンデミック-“スペイン風邪”の記録

日本ソーシャルワーカー連盟(JFSW)

日本ソーシャルワーカー協会(JASW)

INTERNATIONAL FEDERATION OF SOCIAL WORKS

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