コラム

作業療法士の年収、給料はどのくらい?昇給の目指し方も解説

「作業療法士」として働いた場合の給料はどのくらいかをご存じでしょうか。作業療法士の仕事内容が魅力的でも、年収がよくなければ安心して作業療法士を目指せないでしょう。
そこで今回は、作業療法士の年収事情について詳しく解説します。年齢別や都道府県別、作業療法士としての年収の上げ方についても解説するため、作業療法士を目指している方はぜひ参考にしてください。

目次

作業療法士の平均年収は、432.5万円

作業療法士の年齢別、平均年収

作業療法士の年収は、都道府県によっても異なる

作業療法士が年収をアップさせるためのポイント

資格を取得してキャリアアップする

実績を積んで昇給、昇格を目指す

社会動向に合わせて活躍する分野を変えてみる

まとめ

 

作業療法士の平均年収は、432.5万円

作業療法士の平均年収は、ハローワーク求人統計データによると432.5万円です。月額換算すると、25.6万円の月収になります。しかし、432.5万円はあくまで平均年収の数値であるため、勤務先や年齢により大きく異なります。また、資格を取得したり昇給を目指したりすることで大幅な年収アップを目指せます。
作業療法士の仕事は技術職であるため、スキルを身につけると転職を行いやすいです。キャリアップを目指すためには向上心を持って働く必要があり、積極的に学ぶ姿勢をもたないと年収を上げるのは難しいです。

作業療法士の年齢別、平均年収

作業療法士の年収は、年齢により異なります。もっとも年収が高い年齢は、55歳~59歳の589.26万円です。作業療法士の仕事は、経験と年齢を重ねるにつれて年収が高くなります。新卒の20歳~24歳の年齢では、年収341.5万円です。30歳~34歳の年齢の年収では420.73万円であり、10年経験を積むと80万円程年収が上がります。作業療法は今後も必要とされる仕事であるため、年収が上がることが期待されます。

作業療法士の年収は、都道府県によっても異なる

作業療法士の年収は年齢だけでなく、都道府県により異なります。都心部である東京都の平均年収は444.7万円です。全国平均と比べても東京都のほうが年収は高いです。
大阪府の年収は451.2万円、神奈川県の年収は430.3万円、福岡県の年収は434.5万円です。人口密度の高い地域の年収は高いようにも感じますが、実際のところそうではありません。少子高齢化が進んでいる秋田県の作業療法士の平均年収は470.2万円です。東京都と秋田県を比べると秋田県のほうが年収は高いため、都心部であるから高いとは限らないのが現状です。

作業療法士が年収をアップさせるためのポイント

作業療法士の給料は、ほかの職業と比べても高いわけではありません。作業療法士として年収を上げたい方は、年収アップのポイントについて知っておく必要があります。大きく3つのポイントに分けて解説します。

資格を取得してキャリアアップする

年収を上げる一つ目の方法としては、資格を取得してキャリアアップを目指す方法です。作業療法士以外の資格をうまく利用すると、昇給できたり給料の高いところに就職できたりします。資格を取得する際は、作業療法士として活かせる資格を取得する必要があります。ここでは、ダブルライセンスとして活かせる資格を4つ紹介します。

理学療法士

理学療法士と作業療法士のダブルライセンスは相性がよいです。企業のなかには、作業療法士と理学療法士の資格保有者を募集しているケースがあり、ダブルライセンスをもっていると採用率が上がる可能性があります。
また、資格を活かして就職するだけでなく、幅広い知識を得られるのもメリットです。作業療法士と理学療法士は共通する知識が多いため、資格を取得すると知識と技術を深められます。作業療法士以外の資格を目指している方は、理学療法士の資格がおすすめです。

認定作業療法士

認定作業療法士は作業療法の専門家として、管理運営能力や臨床実践能力、教育能力、研究能力を一定水準満たす必要があります。日本作業療法士協会に認められると、認定作業療法士として活躍できます。
そもそも2004年に認定作業療法士制度ができたため、認定作業療法士は比較的新しい資格の一つです。認定作業療法士は、研修をたくさん受講することや計画的に事例報告するスキルなどが求められます。作業療法士としてのスキルの高さを示したい方は、認定作業療法士の資格がおすすめです。

専門作業療法士

専門作業療法士の資格は、認定作業療法士のなかでも特定の分野において、高度な知識や技術力をもった者が得られる資格です。専門作業療法士に必要な能力は、高い知見と技術力、困難な事例に対応できる力、応用できる能力が挙げられます。
特定の分野はいくつかあり、認知症や精神科急性期、訪問、がん、特別支援教育、就労支援などがあります。専門作業療法士は比較的新しい資格でもあるため、令和5年では158名ほどしか取得していません。取得したなかでも特定分野で分けられるため、各分野の専門作業療法士の人数は少ないです。
専門作業療法士の資格を持っていると、働く現場で重宝されるケースが多いです。専門性のある知識と技術力を活かして、昇給できる可能性が高まります。専門作業療法士を目指すには認定作業療法士である必要があるため、まずは認定作業療法士の取得を目指しましょう。

ケアマネージャー

作業療法士としての関わり合いが強いケアマネージャーの資格取得も有効的です。ケアマネージャーの資格を取得することで、介護保険の知識を得られます。また、働き先により収入が上がるケースがあるため、ケアマネージャーの資格を取得しても損はありません。
作業療法士の現場仕事が合わないと感じた際に、ケアマネージャーに転職することも可能です。働き先の幅が広がるため、作業療法士の方がケアマネージャーの資格を取得する方も多いです。

実績を積んで昇給、昇格を目指す

作業療法士の資格を取得しなくても、実績を積むことで昇給を目指せる場合があります。所属する企業に応じて昇給システムが異なりますが、重要な役割を与えられると昇給するケースが多いです。
昇給を目指すためには、日ごろの仕事をきちんとこなす必要があります。重要なポジションを任されるには会社から信頼される必要があり、積極的に働く姿勢を示さなければなりません。会社から信頼されると年齢が若くても年収が上がるため、収入を上げたい方は日々向上心をもって働くように心がけましょう。
昇給を目指そうと思っても、会社があまり昇給について積極的に考えていない場合があります。年収を増やしたい場合は、会社の昇給システムを確認する必要があり、もし昇給システムが整っていなければ転職も視野に入れましょう。作業療法士の給与は、働き先により大きく異なります。雇用条件をしっかり確認して、ご自身の希望の場所で働くのが望ましいです。

社会動向に合わせて活躍する分野を変えてみる

給与が高いところを探すだけでなく、社会動向に合わせて就職先を変えることもおすすめです。社会動向に合っている分野は将来的に収入が高くなる場合があるため、現在の作業療法士の需要を意識して職を探しましょう。ここでは、社会動向に合わせて活躍できる場所を3つ紹介します。

医療機関以外での活躍

作業療法士の働き先は医療機関が多いですが、医療機関以外の働き先もいくつかあります。たとえば、老人ホームや介護施設、訪問看護ステーション、訪問リハビリテーション、デイサービスなどが挙げられます。地域によっては高齢者がご自身で介護施設に通院できないため、訪問介護が主流の地域なども存在します。
今後も高齢化が続くことが予測されるため、介護関連での作業療法士の需要は高まると考えられます。

学問としての作業療法

養成学校など、学問を教える立場で働くことも可能です。作業療法士としての経験を積んだあとに、養成学校で教員として働くと年収アップを目指せる場合があります。
養成学校で働くには、作業療法士としての臨床経験が5年以上必要であり、専任教員養成講習会を修了する必要があります。作業療法を教える立場になると現場で働かないため、異なるやりがいをみつけられるかもしれません。

子ども分野での活躍

子ども分野でも作業療法士は活躍します。発達障害や生活が困難な子どもに食事や遊び、工作などを行って指導する特別支援学校などもなります。子どもが自立して生活できるように、どのように訓練を行うかを計画する必要があり、病院で働く作業療法士とは異なる使命感が感じられます。

まとめ

今回は、作業療法士の年収事情について解説しました。作業療法士は普通に働いているだけでは、昇給することは難しく向上心をもって働く必要があります。作業療法士以外の資格を取得することで、就職の幅が広がり年収アップを目指せる場合があります。資格取得だけに限らず、現在の社会動向の需要の高さも考えながら作業療法士として働きましょう。

 

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