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介護福祉士の難易度は?合格率や試験内容、合格するコツを紹介!

将来的に介護福祉士になりたいと考えているものの、「試験の難易度はどのくらいなのか」や「自分も合格できるのか」といったことを気にしている方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、介護福祉士の合格率や試験内容、合格するコツについて詳しく紹介します。介護福祉士になる難易度について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

介護福祉士国家試験の合格率

介護福祉士国家試験の合格基準・合格点

介護福祉士国家試験の内容

介護福祉士国家試験の難易度は?

その他の職業と試験の難易度を比較

高校卒業後に介護福祉士を目指すルート

介護福祉士国家試験に合格するコツ

合格までのカリキュラムが組まれた学校を選ぶのがおすすめ

まとめ

 

介護福祉士国家試験の合格率

介護福祉士試験は、毎年1回のみ実施されています。第37回(2025年1月実施)から、直近10年間の合格率を見てみましょう。

受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
第28回 152,573 88,300 57.9
第29回 76,323 55,031 72.1
第30回 92,654 65,574 70.8
第31回 94,610 69,736 73.7
第32回 84,032 58,745 69.9
第33回 84,483 59,975 71.0
第34回 83,082 60,099 72.3
第35回 79,151 66,711 84.3
第36回 74,595 61,747 82.8
第37回 75,387 58,992 78.3

参考:厚生労働省|介護福祉士国家試験の受験者・合格者・合格率の推移

年によって変動はありますが、直近10年のデータから求められる平均合格率は約71.9%です。10人に7人は合格すると考えると、介護福祉士試験の難易度はそれほど高くないといえるかもしれません。
しかし、介護福祉士試験の合格率が高いのは、試験内容が簡単であるからではありません。記事後半でも紹介しますが、介護福祉士試験は誰でも受けられるわけではなく、受験資格を持つ方のみが受験できます。介護に関する知識を一定程度持った方のみが受験しているため、結果として合格率が7割を超えています。そのため、介護福祉士試験に合格するためにはしっかりと学ぶ必要があります。

介護福祉士国家試験の合格基準・合格点

介護福祉士国家試験の合格基準・合格点についても見ていきましょう。試験を主催する公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表している基準によると、次のア・イの両方を満たした方が合格者とされています。

総得点の60%程度を基準とし、問題の難易度で補正した点数(合格基準点)以上の得点の者

(配点は1問1点の125点満点)

アを満たした者のうち、以下の11試験科目群すべてにおいて得点があった者

 

  1. 人間の尊厳と自立、介護の基本
  2. 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
  3. 社会の理解
  4. 生活支援技術
  5. 介護過程
  6. こころとからだのしくみ
  7. 発達と老化の理解
  8. 認知症の理解
  9. 障害の理解
  10.  医療的ケア
  11. 総合問題

たとえ総合得点率が60%以上(75点以上)であっても、一つも正答がない科目がある場合は不合格となってしまうため、幅広い知識を習得しなければなりません。なお、ア・イの条件を満たさない場合、下記のパートごとにも合否が判定されます。

パート 試験科目群
A

(60点満点)

人間の尊厳と自立、介護の基本
社会の理解
人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
生活支援技術
B

(45点満点)

こころとからだのしくみ
発達と老化の理解
認知症の理解
障害の理解
医療的ケア
C

(20点満点)

介護過程
総合問題

特定のパートのみ合格基準に到達していた場合は「パート合格」となり、試験の翌々年まで有効とされます。パート合格期間内においては、一部のパートのみ受験することも可能です。

介護福祉士国家試験の内容

介護福祉士国家試験の内容について、もう少し詳しく見ていきましょう。

  • 試験日:例年1月下旬
  • 試験時間:220分(午前と午後に分かれる)
  • 出題形式:5肢択一の選択形式・マークシート式

試験時間が非常に長く、午前の部は10時〜11時40分の100分間、午後の部は13時35分〜15時35分の120分間となっています。試験勉強をするときは、これだけの長丁場で集中力を保つことも意識したほうがよいでしょう。
また、合否判定は3パート11試験科目群に分けられていますが、実際の試験は次の4領域13科目に分けられています。

領域 科目 問題数
人間と社会

(18問)

人間の尊厳と自立 2問
人間関係とコミュニケーション 4問
社会の理解 12問
こころとからだ

のしくみ

(40問)

こころとからだのしくみ 12問
発達と老化の理解 8問
認知症の理解 10問
障害の理解 10問
医療的ケア

(5問)

医療的ケア 5問
介護

(50問)

介護の基本 10問
コミュニケーション技術 6問
生活支援技術 26問
介護過程 8問
  総合問題 12問

「こころとからだのしくみ」や「介護」領域の出題数が多いものの、「医療的ケア」など専門性の高い分野も最低1問は正解しなければ合格できないため、満遍なく知識を蓄えることが重要です。

介護福祉士国家試験の難易度は?

ここまで紹介した情報をふまえると、介護福祉士試験に合格することは決して簡単ではないものの、カリキュラムが整った専門学校で学習すれば、一発合格を目指すことも十分に可能です。
なお、他の介護系資格と難易度を比べると、「初任者研修」「実務者研修」は比較的簡単、「介護福祉士」は中程度、「介護支援専門員(ケアマネジャー)」「社会福祉士」は合格率も低く難しいといえます。将来的なキャリアプランを考えると、しっかりと学習時間を確保できる専門学校生の間に介護福祉士国家資格を取得しておくのがおすすめです。

その他の職業と試験の難易度を比較

歯科衛生士

歯科医師のサポート・歯科予防処置・歯科保健指導などを行う「歯科衛生士」の合格率は、毎年90%を超えています。そのため、介護福祉士よりは難易度が低いといえるでしょう。ただし、試験を受験するためには歯科衛生士の学校・養成所を卒業(見込み含む)しなければなりません。

歯科衛生士の専門学校はこちら

視能訓練士

眼の検査・訓練のスペシャリスト「視能訓練士」も国家資格ですが、合格率は90〜95%と非常に高水準です。ただし、こちらも試験を受けるには視能訓練士の学校・養成所を卒業(見込み含む)する必要があります。視能訓練士養成施設は全国におよそ30校あるため、気になる方はオープンキャンパスなどに参加してみてください。

視能訓練士の専門学校はこちら

登録販売者

ドラッグストアや薬局などで一般用医薬品を販売する際に求められる国家資格「登録販売者」の試験合格率は、都道府県ごとに試験が実施されるため試験地によって若干の差はあるものの、おおむね40〜50%です。受験資格がなく誰でも試験を受けられるため合格率が低くなっていますが、しっかり勉強すれば一発合格できるでしょう。

登録販売者の専門学校はこちら

高校卒業後に介護福祉士を目指すルート

さて、介護福祉士の試験を受けるルートには、次の4つが存在します。

養成施設ルート 文部科学大臣・厚生労働大臣の指定した学校、または都道府県知事の指定した養成施設において、介護福祉士として必要な知識と技能を修めて卒業した方
実務経験ルート 下記の両方を満たした方

●    従業期間3年以上かつ従事日数540日以上

●    実務者研修の修了

福祉系高校ルート 学校教育法による高等学校または中等教育学校において、社会福祉士介護福祉士学校指定規則別表第5に定める教科目・単位数を修めて卒業した方(卒業見込みを含む)
EPAルート 下記の両方を満たした方

●    EPA(経済連携協定)における介護福祉士候補者

●    従業期間3年以上かつ従事日数540日以上

これら受験資格をふまえると、高校卒業後に介護福祉士を目指すルートとしては次の3つが挙げられます。

  • 福祉系の短期大学・専門学校で学ぶ(養成施設ルート)
  • 福祉系の4年制大学で学ぶ(養成施設ルート)
  • 現場で実務経験を積んでから受験する(実務経験ルート)

それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

福祉系の短期大学・専門学校で学ぶ

高校を卒業後、短期大学・専門学校(介護福祉士養成施設)で学べば、最短2年で介護福祉士国家試験を受験できます。4年制大学で学ぶよりも早く受験できるため、なるべく早く介護福祉士として活躍したい方にはおすすめのルートです。

福祉系の4年制大学で学ぶ

福祉系の4年制大学で学んだ後、さらに介護福祉士養成施設で1年学ぶことで介護福祉士の受験資格が得られます。福祉についてしっかり学びたい方にはおすすめですが、受験できるまで5年以上かかることはデメリットといえるでしょう。

現場で実務経験を積んでから受験する

高校卒業後にすぐ介護施設などへ就職し、「従業期間3年以上かつ従事日数540日以上」と「実務者研修の修了」の両方を満たせば、介護福祉士国家試験の受験資格を得られます。なお実務者研修とは、介護福祉士国家試験で出題される科目群や、介護の現場で欠かせない医療行為である『喀痰吸引』『経管栄養』に関する基礎知識を学ぶ研修です。
なお、実務者研修は全20科目の座学と演習(スクーリング)で構成されており、その学習時間は450時間に及びます。さらに医療的ケア演習も受ける必要があり、介護職として働きながら修了することは簡単ではありません。そのため高校卒業時点で介護業界へ進むことを決めている場合は、福祉系の専門学校(介護福祉士養成施設)へ進んだほうがよいでしょう。

介護福祉士国家試験に合格するコツ

さて、介護福祉士国家試験に合格するコツとしては次の4つが挙げられます。

  • 得意ジャンルを作る
  • 満点を目指さない
  • インプットだけではなくアウトプットも重視する
  • テキストでの勉強だけでなく実務現場でも学ぶ

それぞれのコツについて詳しく見ていきましょう。

得意ジャンルを作る

介護福祉士国家試験では幅広い知識が求められますが、すべてを完璧に理解することは難しいでしょう。そのため、試験での得点源を作るために得意ジャンルを最低1つは作ってみてください。「こころとからだのしくみ」や「介護」領域の出題数が多いため、いずれかに注力すると得点を伸ばしやすいです。

満点を目指さない

試験の目的は満点を取ることではなく合格することのため、苦手分野の問題にこだわって時間を費やすよりも得意ジャンルの問題に使う時間を増やすほうがよいでしょう。ただし、介護福祉士国家試験に合格するためには、11の試験科目群すべてにおいて得点する必要もあります。そのため、苦手分野であっても、最低1問は正答できるよう学習してみてください。

インプットだけではなくアウトプットも重視する

知識を定着させるには教科書などを読む「インプット」だけでなく、問題を解いたり人に説明したりする「アウトプット」も重要です。過去問題や模擬試験を繰り返すことはもちろん、クラスメイトと勉強を教え合うことも意識してみてください。

テキストでの勉強だけでなく実務現場でも学ぶ

介護福祉士国家試験のテキストで学んだことが、介護の現場でどのように活かされるのかを知ると、より理解が深まります。試験合格後に即戦力として働くためにも教室での学習だけでなく、介護施設での実習にも力を入れている専門学校を選んでみてください。

合格までのカリキュラムが組まれた学校を選ぶのがおすすめ

介護福祉士試験は合格率こそ高いものの、その試験内容は決して簡単ではありません。通信教育で学ぶことも可能ですが、テキストのすべてを自力で理解することは難しいでしょう。より合格の可能性を高めるには、合格までのカリキュラムが組まれた専門学校へ通学する方法を選んでみてください。

まとめ

介護福祉士の平均合格率は約7割と、国家試験としては高い水準にあります。しかし、試験内容が簡単なわけではなく、養成施設などで学んだ方・実務経験が豊富な方のみが試験を受けられる結果として、合格率が7割を超えています。
高校卒業後に介護福祉士になる方法としては、実務経験を積んだ後に自力で学習するルートもありますが、働きながら勉強することは非常に大変でしょう。最短かつ確実に介護福祉士資格を取得するためにも、ぜひ高校卒業後は専門学校へ進学することを考えてみてください。
東京福祉専門学校の「介護福祉士科」は2年間のカリキュラムを組んでおり、日本人の介護福祉士国家試験合格率100%を誇っています。定期的にオープンキャンパスも開催しているため、ぜひ一度、授業を体験してみてください。オープンキャンパスの日程はこちらのページで紹介しています。

 

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