公認心理師試験の合格率を紹介!難易度や合格点の基準も
公認心理師としてのキャリアをスタートさせるには、公認心理師試験の合格が必須です。しかし「合格率はどのくらい?」「試験の難易度は?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、公認心理師試験の過去の合格率や試験の難易度、合格基準、そして受験資格の区分についてわかりやすく解説します。
目次
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公認心理師試験の合格率は?
公認心理師試験は、心理学の専門知識と技術を持つ公認心理師を認定するための国家試験です。2017年に施行された公認心理師法に基づき、日本で初めて心理職が国家資格として認められました。
試験の出題内容は、心理学の基礎から臨床心理学、心理状態の観察・分析、多職種や地域との連携に関する知識まで、公認心理師として必要な幅広い分野に及びます。
これまで実施された公認心理師試験の合格率は、下記のとおりです。
実施試験 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 |
第8回
(令和7年3月2日実施) |
66.9% | 2,174人 | 1,454人 |
第7回
(令和6年3月3日実施) |
76.2% | 2,089人 | 1,592人 |
第6回
(令和5年5月14日実施) |
73.8% | 2,020人 | 1,491人 |
第5回
(令和4年7月17日実施) |
48.3% | 33,296人 | 16,084人 |
第4回
(令和3年9月19日実施) |
58.6% | 21,055人 | 12,329人 |
第3回
(令和2年12月20日実施) |
53.4% | 13,629人 | 7,282人 |
第2回
(令和元年8月4日実施) |
46.4% | 16,949人 | 7,864人 |
第1回
(平成30年12月16日実施) |
64.5% | 1,083人 | 698人 |
第1回
(平成30年9月9日実施) |
79.6% | 35,020人 | 27,876人 |
参考:「一般財団法人 公認心理師試験研修センター|公認心理師試験」
公認心理師試験の合格率は、開始当初から現在にかけて大きく変化しています。初回試験では、受験者数35,020人に対し27,876人が合格し、合格率は79.6%と非常に高い水準でした。しかし、第2回以降の合格率は46.4%(第2回)、53.4%(第3回)、58.6%(第4回)、48.3%(第5回)と変動しています。
また、合格者数も受験区分の変更によっても大きく変化しています。2022年(令和4年)まで多くの受験者を占めていた「区分G(実務経験5年+講習修了者)」が、2023年(令和5年)の第6回試験から廃止されたことにより、受験者数は大幅に減少しました。(受験区分についての詳しい内容は後述します。)
試験制度が始まって間もないため合格率にばらつきがありますが、直近3年のデータではおおむね70%前後で推移しています。
公認心理師試験の難易度
公認心理師試験の合格率は、79.6%(第1回)から始まり、その後は46.4%〜76.2%の間で推移しています。近年はやや合格率が上昇傾向にありますが、試験が簡単になったわけではありません。その背景には「区分G(実務経験者+講習修了者)」の廃止があります。この変更により、受験者の中心が、大学や大学院で心理学を学んだ学生へと移行し、専門的な知識を持つ層の割合が増えたと考えられます。
公認心理師試験では、心理学の基礎から専門的な知識・技能まで、幅広い分野が出題されます。心理学に関する十分な準備と学習がなければ、合格は簡単ではありません。合格率だけで難易度を判断せず、専門的な理解と実践力を養うことが合格への近道といえるでしょう。
公認心理師試験の受験資格は7種類
公認心理師になるには、公認心理師国家試験に合格することが必須です。受験資格を得る方法は、大きく7つの区分に分かれています。
以下では、7種類の受験資格の区分について詳しく解説します。
区分Aの合格率
区分Aでは、まず4年制大学(または4年制専門学校)にて、公認心理師施行規則で定められた25科目(80時間以上の実習を含む)を履修・修了する必要があります。その後、大学院に進学し、同じく施行規則で定められた10科目(450時間以上の実習を含む)を修了することで受験資格が得られます。
区分Aは、これから公認心理師を目指す人にとってもっとも基本的なルートです。特例措置の対象でない場合、受験資格を得るにはA〜Cのいずれかの区分に該当する必要があり、その中でも区分Aは標準的な進路とされています。
【区分Aの合格率(第8回)】
受験数 | 合格者数 | 合格率 |
1,639人 | 1,266人 | 77.2% |
区分Bの合格率
区分Bは、大学卒業後に実務経験を積むことで公認心理師試験の受験資格を得るルートです。
具体的には、4年制大学(または4年制専門学校)で施行規則に定められた25科目を修了・卒業した後、文部科学大臣および厚生労働大臣が認める「プログラム施設」で2年以上(標準は3年程度)該当する業務に従事する必要があります。
なお、実務経験を積むには、「法務省専門職採用試験」または「国家公務員採用総合職試験」に合格し、心理技官(矯正心理専門職)として採用されなければなりません。
【区分Bの合格率(第8回)】
受験数 | 合格者数 | 合格率 |
19人 | 15人 | 78.9% |
区分Cの合格率
区分Cは、主に外国の大学や大学院で心理学を学んだ人を対象とした受験資格のルートです。
さまざまな学習・経歴パターンが認められており、文部科学大臣および厚生労働大臣の審査を経て受験資格が認定されます。具体的には、以下の6つのケースが審査対象とされています。
- 日本の大学で必要な25科目を修了し卒業後、外国の大学院で心理科目を修了した場合
- 外国の大学で心理科目を修了して卒業後、日本の大学院で必要な10科目を修了した場合
- 外国の大学を卒業後、日本のプログラム施設で実務経験を積んだ場合
- 外国の大学および大学院で心理科目を修了した場合
- 外国の大学院で上記以外の課程を修了し、かつ外国の心理職資格を保有している場合
- 大学で履修した科目が、受験資格の条件を一部満たしていない場合
【区分Cの合格率(第8回)】
受験数 | 合格者数 | 合格率 |
13人 | 8人 | 61.5% |
区分D1の合格率
区分D1は、公認心理師法の施行(2017年9月15日)前に大学院を修了した人を対象とした特例措置です。
受験資格を得るためには、施行前に大学院で必要な科目をすでに履修している必要があります。多くの大学院では「科目の読替え」という対応を行っており、この区分では6科目以上の履修が必要とされています。
科目の読替えとは、すでに履修済みの科目が、受験資格を得るために必要な科目に相当すると判断されることを指します。
【区分D1の合格率(第8回)】
受験数 | 合格者数 | 合格率 |
189人 | 57人 | 30.2% |
区分D2の合格率
区分D2は、公認心理師法が施行された2017年9月15日以前に大学院へ入学し、施行時に在学中だった人を対象とした特例ルートです。区分D1が施行前に大学院を修了した人を対象とするのに対し、D2は施行時点で在学していた人に適用されます。
【区分D2の合格率(第8回)】
受験数 | 合格者数 | 合格率 |
47人 | 7人 | 14.9% |
区分Eの合格率
区分Eは、公認心理師法が施行された2017年9月15日以前に4年制大学へ入学し、必要な科目を履修した人(履修中だった人を含む)を対象とした特例措置です。
この区分では、大学で履修した科目のうち、科目の読替えによって区分AまたはBで必要とされる科目のうち12科目以上を修了していると大学が認定した場合に対象者となります。そして、2017年9月15日以降に大学院へ進学し、施行規則に定められた10科目を修了することで、公認心理師試験の受験資格が得られます。
【区分Eの合格率(第8回)】
受験数 | 合格者数 | 合格率 |
255人 | 92人 | 36.1% |
区分Fの合格率
区分Fは、公認心理師法が施行された2017年9月15日以前に大学へ入学し、必要な科目を履修して卒業した後、実務経験を積んだ人を対象とした特例措置の一つです。
区分Eと同様に大学での12科目以上の履修が求められ、科目の読替えによる対応も認められています。そのうえで、文部科学大臣および厚生労働大臣が認める国の「プログラム施設」において、2年以上(標準で3年程度)の実務経験を積むことで、公認心理師試験の受験資格が得られます。
【区分Fの合格率(第8回)】
受験数 | 合格者数 | 合格率 |
12人 | 9人 | 75% |
公認心理師試験の合格点
公認心理師国家試験の合格基準は、総得点の60%以上とされています。つまり、全体の約60%の問題に正解すれば、順位に関係なく合格できる仕組みです。
ただし、実際の合格点は試験の難易度に応じて補正されることがあります。標準的な基準点は138点(総得点230点中の60%)とされていますが、年度ごとの試験内容によって若干の変動があります。
過去3年間の合格点は以下のとおりです。
合格点(総合点230点に対して) | |
第8回(令和7年度) | 134点以上 |
第7回(令和6年度) | 138点以上 |
第6回(令和5年度) | 138点以上 |
毎年の試験の難易度に応じて調整が行われるため、合格点は必ずしも一定ではないことに注意が必要です。
まとめ | 公認心理師に合格するには東京福祉専門学校がおすすめ
公認心理師試験の合格率は、年度や受験区分の変更によって大きく推移しています。直近では合格率70%前後で推移しているものの、十分な学習と準備が求められます。また受験資格は7つの区分に分かれており、自身のルートに応じた対策が重要です。
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