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介護福祉士の将来性はある?今後の需要について解説します

日本は「超高齢社会」と呼ばれる時代に入り、高齢者の数が年々増え続けています。これに伴い介護施設も増加し、介護業界では深刻な人手不足が続いています。この背景の中で、介護現場を支える重要な存在として注目されているのが「介護福祉士」です。
この記事では、介護福祉士の将来性や需要が高まっている理由、活躍できる職場、資格を取得するメリットなどをわかりやすく紹介します。

目次

介護福祉士に将来性はある?

介護福祉士の需要が高まっている理由とは

「介護職は将来性がない」と言われる理由とは?

介護職の負担軽減に向けて国も支援を開始

介護福祉士が活躍している職場

介護福祉士の資格を取得するメリット

まとめ | 介護福祉士は将来性のある専門職

 

介護福祉士に将来性はある?

介護福祉士は高齢化が進む日本において、今後ますます必要とされる資格です。介護施設の数は増えているため、専門的な知識と技術を持つ介護福祉士は、現場の中心的な存在として活躍が期待されています。また、国家資格であることから社会的評価も高く、現場のリーダーや管理職など、キャリアアップの道も広がっています。
以前は、資格を持っていても「無資格者と仕事内容や待遇に大きな差がない」という側面がありました。しかし現在では介護福祉士の人数に応じて補助金が支給されるなど、国による支援策が進められています。また介護サービスの質向上や働きやすい職場環境の整備も進んでいるため、将来性のある職業といえるでしょう。

介護福祉士の需要が高まっている理由とは

ここでは、介護福祉士がなぜ求められているのか、背景を詳しく見ていきましょう。

高齢化社会により介護ニーズが拡大している

介護福祉士の仕事がますます必要とされている大きな理由の一つは、日本の「高齢化」です。日本では、2007年に65歳以上の人の割合が全体の21%を超えて「超高齢社会」と呼ばれるようになりました。2024年時点ではその割合が29.3%に達しており、2040年には約35%にまで増加すると予測されています。
高齢になると介護を必要とする人が増えていきます。厚生労働省の調査によると、2024年の時点で、65歳以上の人のうち約20%が介護や支援の認定を受けているという調査結果もあります。
このような背景から介護のサービスを受ける人がどんどん増えていて、それを支えるための介護の仕事もますます重要になっています。

介護現場は人手不足が深刻化している

介護業界では、深刻な人手不足が続いています。公益財団法人介護労働安定センターが行った「令和5年度介護労働実態調査」によると、約65%の介護事業所が「人材が不足している」と感じており、現場の大きな課題となっています。
「有効求人倍率」の高さにも注目してみましょう。有効求人倍率とは、「働きたい人(求職者)」に対して、どれだけの求人があるかを示す数値です。1倍を超えると、求職者よりも求人のほうが多いことを意味し、求人倍率が高いほど企業が人材を確保しにくい状況であることを示しています。
厚生労働省が発表したデータによると、有効求人倍率(2024年12月時点)は全職種平均が「1.35倍」だったのに対して、介護職は「4.25倍」と高く、求職者1人に対して4件以上の求人がある計算になります。介護業界では他の職種に比べて、とくに人材確保が難しくなっているのが現状です。

「介護職は将来性がない」と言われる理由とは?

介護職は「給料が低い、きつい」などのイメージを持たれやすく、将来性がないと考えられることもあります。実際に、身体的・精神的に負担が大きい仕事であるにもかかわらず、現在の賃金水準は他職種に比べて低く、長く続けるのが難しいと感じる人も少なくありません。
また、学歴や経験に関係なく介護福祉士の資格がなくても働ける職種であることから、スキルや専門性が正当に評価されにくいという側面もあります。そのため、介護職は将来性がないと思われてしまうこともあります。
しかし、これらのイメージはすべての職場に当てはまるわけではありません。近年では、労働環境の改善やキャリアアップの支援など、働きやすさを重視する施設も増えています。
さらに、国も介護業界の人手不足を深刻な課題として捉え、さまざまな対策を打ち出しています。次項では、国の支援策について見ていきましょう。

介護職の負担軽減に向けて国も支援を開始

深刻な人材不足が続く介護業界に対して、国も職員の負担を軽減し、働きやすい環境を整えるための支援策を積極的に進めています。
取り組みの一例として挙げられるのが、処遇改善による収入面の支援や、介護人材の育成・研修制度の充実です。未経験者や外国人労働者の採用、資格取得支援も進められており、より多くの人が介護の仕事に就きやすい環境が整いつつあります。
また、業務の効率化や職員の負担軽減を目的に、介護ロボットやICT機器の導入も支援されています。そのほかにも、「両立支援等助成金」により子育てや介護と仕事の両立を支援したり、保育所の設置をサポートしたりして、離職防止や定着率向上につながる取り組みも行われています。
国がさまざまな支援を行っていることで、介護職はより働きやすく続けやすい職業へと変わりつつあります。

介護福祉士が活躍している職場

介護福祉士は、さまざまな現場で専門性を活かしながら活躍しています。具体的にどのような職場で働けるのか紹介します。

特別養護老人ホームなどの高齢者施設

介護福祉士は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護付有料老人ホーム、ケアハウスといった、さまざまな高齢者施設で活躍しています。

たとえば特別養護老人ホームは、要介護度の高い高齢者の入居が中心で、入浴や排泄の介助、健康管理や機能訓練を行います。また介護老人保健施設ではリハビリを重視したケアを提供し、介護付有料老人ホームでは自立支援を目的に日常生活のサポートをします。
多くの施設が24時間体制のシフト制で夜勤もあり、介護福祉士の需要は高いです。

デイサービスや訪問介護

介護福祉士は、在宅の高齢者を支えるデイサービスや訪問介護の現場でも活躍しています。
デイサービスは、高齢者が施設に通い、食事や排泄の介助、レクリエーションや機能訓練を日帰りで受ける場所で、主に日勤勤務です。
一方、訪問介護では利用者の自宅を訪問し、食事や入浴の介助、掃除や買い物などの生活支援を行います。日中の訪問が中心ですが、夜間対応サービスを行う事業所もあります。

医療機関や障がい者施設

介護福祉士は病院や身体障がい者療護施設などでも活躍しています。

病院では、医師や看護師の指示のもと、入院・通院患者の介護を担当します。医療が中心の環境では、他職種との連携が特に重要です。
身体障がい者療護施設では、常に介護を必要とする重度の身体障がい者が入所しており、介護や健康管理、生活指導、創作活動などを支援します。多くの施設では高齢者施設と同じように、シフト制勤務が採用されています。

介護福祉士の資格を取得するメリット

介護福祉士の資格がなくても介護業界で働けますが、資格を取得することで以下のように多くのメリットがあります。

高い技術を持っていることを公的に証明できる

介護福祉士は、介護分野で唯一の国家資格であり、専門的な知識と高い技術を持っていることを公的に証明できます。資格取得には、実務経験3年以上の条件や国家試験をクリアする必要があり、その過程で深い知識と豊富な経験が身につきます。
資格を持つことで、利用者や家族、同僚からの信頼を得やすくなるほか、後輩や新人の指導やチーム全体の介護の質向上にも貢献できるようになります。

資格手当がつくため収入が高い

介護福祉士の資格を取得すると、無資格者に比べて給与面で優遇されるケースが多く、資格手当が支給されることもあります。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」によると、介護福祉士の平均月給は「339,960円」で、無資格は「290,620円」でした。月収では約5万円、年収ベースでは約60万円の開きがあり、収入面でのメリットは大きいといえるでしょう。
ただし、資格手当の金額や支給の有無は職場によって異なるため、就職の際は求人内容を事前に確認することが大切です。

介護現場以外でも活躍できる

介護福祉士の資格があれば、介護施設以外の職場でも活躍できます。たとえば次のような分野での勤務が可能です。

  • 行政や医療機関
  • 福祉用具専門員(用具の選定・販売など)
  • 介護保険関連の事務職
  • 介護福祉士養成校や初任者研修の講師

 

体力的な負担が少ない仕事も多く、現場勤務が難しくなった方にも選択肢があります。ただし、職種によっては追加の資格や実務経験が求められるため、求人内容をよく確認しましょう。

国家資格のため長期的に安定して働ける

介護福祉士の資格は更新手続きが不要であり、一度取得すれば生涯有効です。介護業界は慢性的な人手不足に加え、経験豊富な人材も求められているため、ブランクがある人でも即戦力として再就職しやすい傾向にあります。介護業界を一時的に離れても、資格を活かして戻ることができるのは大きなメリットです。
また、資格を持っていることで、より高待遇な職場を目指す際にも有利になります。長期的に安定して働きたい方にとって、介護福祉士の資格は強い味方になるでしょう。

管理職などへキャリアアップを目指せる

介護福祉士の資格を持っていると、現場でのリーダーだけでなく、管理職や専門職などへのキャリアアップの道が広がります。たとえば、介護事業所の管理者や施設長として運営に関わったり、自身で事業所を立ち上げたりすることも可能です。
介護の仕事を長く続けながら、将来的により責任のある立場を目指す方にとって、介護福祉士は大きなステップとなる資格です。

まとめ | 介護福祉士は将来性のある専門職

人手不足が続く介護業界では、専門知識と技術を持った介護福祉士が必要不可欠な存在となっています。資格を取得するメリットも多く、今後は待遇や働きやすさの改善も期待できるため、将来性のある職業といえるでしょう。

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