友達の相談に乗ることが多いあなたへ。ソーシャルワーカーという仕事を知っていますか?
「あなたに向いている仕事は、社会福祉士(ソーシャルワーカー)です。」
進路サイトや適性診断をやってみたら、そんな結果が出たことはありませんか?
でも、その結果を見てこう思った人も多いはずです。
「社会福祉士って何をする人?」
「介護福祉士とは違うの?」
「聞いたことはあるけれど、よく知らない」
「そもそもソーシャルワーカーって何?」
それはとても自然なことです。
保育士や看護師、教師や警察官は、学校やテレビなどで目にする機会があります。しかし、ソーシャルワーカーは普段あまり表に出てきません。
とても大切な仕事なのにその存在を知らない人がたくさんいます。
もしあなたが適性診断で社会福祉士をおすすめされたなら、それはあなたの中にこの仕事につながる力があるのかもしれません。
今回はそんなあなたに向けて、ソーシャルワーカーという仕事について紹介したいと思います。
目次
「学校に行きたくないわけじゃない。でも、なんだかしんどい」
朝、目覚ましで起きる。
制服に着替える。
学校へ行く。
授業を受ける。
友達と話す。
部活に参加する。
周りから見れば普通の高校生活です。
でも、心の中ではこんなことを考えている人もいます。
「最近、クラスでなんとなく居場所がない気がする」
「仲の良かった友達と少し距離ができた」
「部活の先輩とうまくいかない」
「先生に相談したけれど、うまく伝わらなかった」
「みんな楽しそうなのに、自分だけ取り残されている気がする」
学校に行けなくなるほどではない。
毎日ちゃんと登校している。
でも、なんだか苦しい。
実はこうした悩みを抱えている高校生は少なくありません。
そしてソーシャルワーカーは、そんな「まだ問題になる前の苦しさ」にも目を向ける仕事です。
例えば、ある高校生が「最近クラスにいるのがしんどい」と相談したとします。
多くの人は、
「友達と仲良くすればいい」
「気にしすぎじゃない?」
「頑張って話しかけてみたら?」
と考えるかもしれません。
でもソーシャルワーカーは少し違います。
「何があったんだろう?」
「いつ頃からそう感じるようになったんだろう?」
「学校以外ではどんな様子なんだろう?」
「家庭や部活では何か困っていることはないだろうか?」
そんなふうに、その人の背景を知ろうとします。
すると実は、
進路への不安が大きくなっていたり、
家族のことで悩んでいたり、
SNSでの人間関係に疲れていたり、
誰にも言えない孤独を抱えていたりすることがあります。
ソーシャルワーカーは、目の前の悩みだけではなく、その奥にある「生きづらさ」を理解しようとする人なのです。
ソーシャルワーカーは「人生の困りごと」を一緒に考える人
ソーシャルワーカーは、一言で言うと「困っている人が、その人らしく暮らしていけるように支える専門職」です。
ただし、直接病気を治すわけでも、介護をするわけでも、勉強を教えるわけでもありません。
例えば、
・学校に行けない
・家族との関係に悩んでいる
・障害があって生活に困っている
・介護が必要な家族がいる
・仕事が見つからない
・生活費に困っている
・災害で住む場所を失った
こうした悩みは、一人だけでは解決できないことがあります。
そんな時に、利用できる制度やサービスを紹介したり、支援してくれる人とつないだりしながら、一緒に解決方法を考えるのがソーシャルワーカーです。
「答えを教える人」ではなく、
「その人が自分らしく生きる方法を一緒に探す人」。
それがソーシャルワーカーです。
実は、あなたの身近な場所でも活躍している
ソーシャルワーカーは、特別な場所で働く人ではありません。
実は私たちの身近な場所で活躍しています。
病院
病気やケガをすると、治療だけでは解決できない悩みが生まれます。
「退院した後の生活はどうしよう」
「医療費が払えるだろうか」
「仕事を続けられるだろうか」
そんな不安を抱える患者さんや家族を支えるのが医療ソーシャルワーカーです。
高齢者福祉
認知症や介護の問題を抱える高齢者や家族を支えます。
介護サービスの利用や生活上の相談に応じながら、安心して暮らせる環境づくりをサポートします。
障害者福祉
障害のある人が地域で生活し、働き、学び、自分らしく暮らせるよう支援します。
学校
学校にもソーシャルワーカーがいます。
不登校やいじめだけではありません。
友人関係、進路の悩み、家庭環境など、さまざまな悩みを抱える子どもや保護者を支えています。
児童相談所や児童養護施設
虐待や家庭の事情などで困難を抱える子どもたちを支えます。
子どもの安全を守るだけでなく、その子の未来を一緒に考える仕事でもあります。
「困っていること」の奥を見る仕事
ソーシャルワーカーの特徴は、目の前の問題だけを見ないことです。
例えば、
「勉強が続かない」
「学校に行きたくない」
「友達とうまく話せない」
そんな悩みがあったとします。
ソーシャルワーカーは、
「なぜそうなっているんだろう?」
と考えます。
もしかすると、
・家族の介護をしている
・経済的な事情がある
・発達特性がある
・家庭で悩みを抱えている
・いじめを受けている
・将来への不安が大きい
そんな背景があるかもしれません。
目の前に見えている問題は氷山の一角です。
その下には、その人自身も言葉にできない苦しさや生きづらさが隠れていることがあります。
だからソーシャルワーカーは、「何に困っているのか」だけではなく、「なぜ困っているのか」を考え続けます。
子どもの孤立から、社会福祉の本質が見えてくる
東京福祉専門学校では、社会福祉を学ぶ入り口として「子どもの孤立」に注目しています。
孤立と聞くと、友達がいないことを想像する人もいるかもしれません。
しかし実際には、
周りに人がいるのに相談できない。
悩みを抱えているのに理解してもらえない。
本音を話せる相手がいない。
そんな状態も孤立です。
実は先ほどの高校生の事例も、孤立の一つと言えるかもしれません。
そして、その背景にはさまざまな社会課題があります。
貧困。
虐待。
障害。
ヤングケアラー。
不登校。
外国ルーツによる生きづらさ。
メンタルヘルスの問題。
地域とのつながりの少なさ。
つまり、一人の子どもの孤立を理解しようとすると、社会福祉のさまざまな課題が見えてくるのです。
だから東京福祉専門学校では、子どもの孤立を入口にしながら、社会福祉の本質を学んでいきます。
一人の子どもと長く関わるから見えることがある
ニュースやSNSだけでは、人の人生はわかりません。
一度会っただけでも、本当のことは見えてきません。
本当に理解するためには、時間が必要です。
東京福祉専門学校では、さまざまな子ども支援の現場で学びながら、一つの実習先で継続的に子どもと関わる学びを大切にしています。
最初は、
「明るくて元気な子だな」
と思っていた子どもが、
関わりを続ける中で、
「実は家庭で大きな悩みを抱えていた」
「学校で孤立していた」
ということが見えてくることがあります。
逆に最初はあまり話してくれなかった子どもが、少しずつ心を開いてくれることもあります。
一人の子どもを長く理解しようとする中で、その背景にある貧困や障害、虐待、地域とのつながりなど、社会福祉の本質が見えてきます。
これは教科書だけでは学べないことです。
体験して、理解する。だから学びが面白い
社会福祉を学ぶというと、
「法律を覚える」
「制度を覚える」
そんなイメージがあるかもしれません。
もちろん、それも大切です。
しかし、本当に理解するためには体験が必要です。
例えば授業で「貧困」について学びます。
その後、現場で子どもや家族と出会います。
すると教科書の言葉だった「貧困」が、一人の人の人生として見えてきます。
授業で学んだことと現場で経験したことがつながった瞬間、
「だからこの制度が必要なんだ」
「だからソーシャルワーカーが必要なんだ」
という実感が生まれます。
体験して、理解する。
だから学びが面白くなるのです。
あなたの経験が、誰かを支える力になる
この仕事に興味を持つきっかけは人それぞれです。
祖父母と一緒に暮らしている。
親が介護や保育の仕事をしている。
障害のある兄弟姉妹がいる。
友達の相談を聞くことが多い。
学校生活で悩んだ経験がある。
部活で人間関係に苦労した。
進路に迷ったことがある。
災害のニュースを見て何かしたいと思った。
どんな経験も無駄にはなりません。
ソーシャルワーカーは、さまざまな人生に出会う仕事です。
だからこそ、自分の経験や悩みも、いつか誰かを理解する力になります。
AIの時代だからこそ必要な仕事
最近はAIの進化によって、多くの仕事が変わると言われています。
確かに、情報を集めたり整理したりすることはAIが得意です。
しかし、
「本当は何に困っているのか」
「どんな気持ちでいるのか」
「これからどんな人生を歩みたいのか」
を一緒に考えることは、人にしかできません。
ソーシャルワーカーは、人と人との信頼関係を大切にする仕事です。
だからこそ、これからの時代にも必要とされ続ける仕事なのです。
適性診断の結果は、未来へのヒントかもしれない
もし適性診断で「社会福祉士(ソーシャルワーカー)」という結果が出たなら、それは単なる偶然ではないかもしれません。
人の話を最後まで聞ける。
相手の気持ちを考えられる。
困っている人を放っておけない。
「どうしてそうなったんだろう」と背景を考えられる。
そんな力が、あなたの中にあるのかもしれません。
ソーシャルワーカーは、人の人生に寄り添いながら、社会を少しずつ良くしていく仕事です。
そして東京福祉専門学校では、子どもの孤立を入口に、社会福祉の本質を学びながら、その力を4年間かけて育てていきます。
今はまだ、社会福祉士という仕事をよく知らなくても大丈夫です。
このコラムを読んで少しでも興味を持ったなら、ぜひソーシャルワーカーという仕事について調べてみてください。
もしかすると、あなたが将来出会う誰かの人生を支えることになるかもしれません。
そして、その最初のきっかけが、今日見た適性診断の結果なのかもしれません。