オーストラリアの介護⼠求⼈について
日本と同じく高齢化社会であるオーストラリア。そんな、オーストラリアは日本とは 違う方法で介護制度が整備されています。実は私は留学経験があり、オーストラリアで介護のお仕事もしたことがあります。今回はオーストラリアの「介護」についてご紹介します。
・どんな特徴があるのか?
オーストラリアは介護だけでなく社会保障サービスはすべて一般財源(消費税など)で賄われています。
日本には介護保険がありますが、オーストラリアにはありません。
一般税を財源とした「老齢年金」があるので高齢者は安心して介護を受けられます。
医療費についてもメディケア税(収入の1.5%)と呼ばれる税金で賄っているので、医療費の負担もありません。
日本よりも働く人の負担は大きいですが、介護や医療サービスが必要になったときに安心して暮らしていける制度となっています。
在宅ケア中心になっているのも特徴の1つです。
日本ではまだ施設や病院メインの介護となっていますが、オーストラリアではいち早く在宅介護に向けて取り組みを行っています。
また、ホステル(公営施設)やナーシングホーム(特別養護老人ホーム)では、要介護の高い利用者の安全な暮らしが保てているのも現状です。
・さらに先を目指す在宅ケア約30年前から在宅ケアへの移行を始めているオーストラリアでは、「在宅ケアパッケージ」と呼ばれる制度でより良い高齢者介護に取り組んでいます。
もともと提供していた複数の介護計画を1つに統合することで、効率よく在宅ケアや介護サービスを利用できるようにしたものです。
在宅ケアパッケージでは要介護・要支援のようなものはないが、代わりにレベル1〜レベル4の4段階に分けられており、そのレベルに応じて、サービスの種類が変わっておりレベルが大きいほど重度の介護が必要になります。『消費者主導のケア』つまり、サービスを受ける側の意志を最大限に尊重しているのも「在宅ケアパッケージ」の良い点といえるのではないかと思われます。
・なぜ、介護が発達しているのか?
これはひとえに「国の対応の速さ」といえます。
日本でも、時代に合わせた制度や法整備など進んではいます。しかし介護保険制度など課題はまだまだたくさんあります。
しかし、オーストラリアは同じような高齢化社会でありながら、先を読んで様々な制度を導入しているように感じます。
文化や食生活、もともとの気質などが違うため全てを取り入れる事は難しいでしょう。
ですが、超高齢化社会である日本が学ぶべき点は多々あるのではないでしょうか?
・もし、オーストラリアで介護の仕事やボランティアをしたいときは?
大きく分けて2つの方法があります。
1つ目がオーストラリアにある専門の学校で介護・福祉コースを卒業すること。
2つ目がボランティアとして介護施設で働くこと。
1つ目の専門学校について日本では、いくつか民間の資格や介護福祉士という国家資格もありますが、オーストラリアでは国家資格はありません。
ですが、専門的な知識が必要になるため「Community Services Work」や「Aged Care」というコースの受講が必要になります。
Community Services Workは老人施設や障害者施設、アルコール・ドラッグ依存克服施設など体働くための知識やスキルを学べます。
Aged Careは老人ホームなどで働く知識やスキルを学べます。
2つ目のボランティアについてなぜボランティアとして働くのかというと、「専門学校で通っている間の勉強」「英語に自信がない時」などの理由があリます。その場合は先にボランティアとして働くというのも1つの手段でもあります。語学学校や専門学校が手配をしてくれます。
シドニーに留学経験している時も日本人留学生で介護のアルバイトをしている人が何人かいました。留学先での経験としてだけでなく、オーストラリアでの永住につなげたい方や日本で介護福祉士になりたい方にもおすすめだと考えます。
・日本の介護の現状とこれから
日本では介護業界の発達により介護保険制度や人手不足など課題は多くあります。しかし経済的に発展しているからこそ、福祉制度や保険制度が充実しており、福祉が整っているのです。介護保険制度があるからこそ手厚い介護があり、高い質のサービスを受けることができます。
また介護業界は人材不足ということもあり、これからさらなる給料アップや資格手当が見込まれる業界でもあります。
さらに、資格のステップアップがわかりやすいのでケアマネージャーや管理職クラスになればますます仕事の幅も広がりキャリアアップの道も開けていきます。
今回は、オーストラリアの介護についてご紹介しました。海外が好きというところから始まり介護のアルバイトをして介護の魅力に惹かれ、介護福祉士の道に進んだわけですが、世界に目を向けると国によって様々な特徴があり、介護スタイルも異なります。同じ状態の高齢者でも、国が違えば高齢者のライフスタイルにも差が出ると感じました。
オーストラリアの介護について触れましたが、他国の介護事情を知ることは広い視野で介護を知ることもできとても勉強になります。また、世界を知るよい機会です。日本だけではなく他国の福祉業界に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
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