コラム

大学と専門学校の学びの違いについて

そもそも大学と専門学校では、目的が違う

学校教育法83条によると「大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする」。

一方、専門学校は、学校教育法124条によると「職業に必要な能力を育成」を目的としています。つまり、大学は、幅広い教養と学術的な研究を行い、専門学校は、職業に直接必要な知識・技能の教育になります。例えば、医療職である作業療法士を目指すとしても、研究をしていきたいのであれば大学で学ぶことが良いと言えるでしょうし、卒業後、現場で即戦力として働きたいのであれば専門学校で学ぶことが良いと言えるでしょう。

 

何を学ぶのか?

大学では内容が豊富でかつ各科目の専門性が高い一方、標準から逸脱しやすく、積み上げが難しいとも言われます。一方、専門学校は内容がコンパクトで科目の連続性が得やすく、作業療法の専門職に結びつきやすいという特徴が挙げられます。

 

専門職大学の新たな登場

「深く専門の学芸を教授研究し、専門性が求められる職業を担うための実践的かつ応用的な能力を展開させることを目的とするものは、専門職大学とする」と、新たに2019年度から制度がスタートしました。理論と実践を学ぶ大学・専門学校の良い所を取った所とも言えますが、作業療法士を目指せる学科は4校とまだまだ少なく、制度がスタートしたばかりで実績がなく、今後ということでしょうか。

 

大卒と専門学校卒の給与の違い

作業療法士の平均給与は月給28万4000円、年収にすると約405万円というデータがあります。(厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」より)

作業療法士の場合、大卒と専門学校卒では給与面にほぼ差はありません。これは作業療法士が国家資格であるため、大学と専門学校という学歴の差はなく、作業療法士という国家資格を持っていれば同じということです。3年制の専門学校で学ぶことは、大学より1年分の学費がかからず、また1年早く現場に出られる分、1年分の給与が得られ、実務経験も積めることにメリットがあると言えるでしょう。

 

また大卒と専門卒の給与の違いについて(https://www.tcw.ac.jp/column/2484)過去にまとめた通り、「医療・福祉」については、全体の大卒の給与よりも高くなっています。

作業療法士を目指す場合において大卒・専門卒との差はほとんどないですが、全体の大卒よりは高くなっていることが分かります。

 

 

新型コロナウィルスの影響が、進路選択や学校生活にも広がっている

文部科学省による「大学等における後期等の授業の実施方針等に関する調査」

https://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2020/20200915_01.html

 

によると、9日15日時点で大学・短大などの80.1%が対面授業と遠隔授業との併用であり、そのうちの約20%はほとんどが遠隔授業中心ということが報告されています。さらに施設の利用やキャンパスに通うことが制限され、今までの学校生活を送ることが困難になっています。そのため、今後は何のために学ぶのかということがより問われるのではないでしょうか?さらに今まで当たり前だった対面授業に加え、オンライン授業という選択肢が加わり、より自分にとって分かりやすい学び方をしている学校かどうかということが重要と言えるでしょう。

 

高校では休校による影響で、夏季休暇の短縮や一部土曜日に授業開催、大学や専門学校ではオープンキャンパスの相次ぐ中止、また家庭の収入減による経済的な問題など、進路選択をする活動が例年以上に制限されています。しかしその一方で、オンラインでの説明会の開催をしている学校や学費サポートが充実している学校もあります。

 

2021年4月に向けてまだ時間はあります。「自分にとって一番よい進路とは」をもう一度しっかり見つめなおして悔いのない進路選択をしていただくことを願っています。

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