「うちの子って発達障害かも?」と思ったら…
「じっとしていられない事が多いけど、大丈夫かしら」
「時々、何を言ってるのかわからなくて、心配になる」
「友達ができないのか、学校に行きたがらないけど発達障害とかなのかしら・・」
お子さんが、周囲の子と違う行動をとったり、うまく適応できない状態になると「発達障害というものなのかしら」と考えてしまうのが親心ですよね。今回は「うちの子って発達障害かも?」と思っている皆さんに向けて、以下の内容をお伝えします。
<目次>
1 発達障害かもと思うきっかけ
2 医療機関を受診しての診断をお勧めします
3 「あれ」と思えば、できるだけ早く診断を受けることが未来につながります
1 発達障害かもと思うきっかけ
発達障害という言葉が一般的に理解が深まってきたので、障害があっても、その特性に配慮して働くことができる場所や職業もとても増えてきました。
ただ、インターネットで見た内容や、公開されている診断基準を基に、勝手に決めつけたり、思い込んで対応したりするのはとても危険です。
障害の特徴を簡潔に、わかりやすく伝えるために公開されているものが多いので、基本的な発達や障害の知識がない人が読むと、誤解されやすいからです。
さらに、発達障害と一言で言っても全員特徴が違うと言ってもいいくらい、特性が違います。そのため、適切な対応を知るためにも「そうかも?」と感じたら、まずは医療機関で診断を受けることをお勧めします。
2 医療機関を受診しての診断をお勧めします
当事者であるお子さんも、きっと悩んでいると思います。自分はどうして人と違うのか、どうして自分はこんなに出来ないのか等、自分を否定するような悩みが起こりやすい状態にあります。
そのことが原因で、発達障害の特徴とは違う特徴も加わり、不安が強く、眠れなくなった、集団の中にいると落ち着かない等で医療機関を受診した方が、発達障害という診断となることも珍しくありません。2次的障害とも呼ばれています。本来の障害が原因ではありますが、その障害と上手く付き合えないことが原因で起こる日常生活への困りごとがそれにあたります。
漢字が書けない、読めないと学校で指摘され、本人も自分はバカなんだと落ち込んで、勉強すること自体が嫌になった。自分に自信が持てなくなった。というお子さんにお会いしたことがあります。
別のお子さんは、手先が不器用で字が上手に書けないことを大人に指摘され、自分でもそのことを気に病んで、文章をできるだけ書かないようにしてきたので、本当に、文章を書く能力そのものも、練習をしていないために低くなっていたというお子さん。
できないのは、やる気がないからだ。練習や勉強量が足りないからだと言われて、自分もそうだと思い込み、人の何倍も漢字を書いたり、練習したため、自分は人より劣っているのだと思い込んでしまっているお子さん等。
2次的な障害を持つお子さんに沢山お会いしてきました。漢字が書けなかったお子さんは、もう20歳を超えてましたが、小学校3年生からの漢字を学校の勉強方法とは違う方法で覚え始め、1年で専門用語に使われる漢字を読めるまでになりました。書くことはまだ苦手でしたが、仕事をする年齢になれば、自分の手で書くことは少なくなりますので、読めるようになることに力を入れました。
どうしても書く必要があるときのために、携帯で調べて正しい漢字を選べる事。そしてその漢字をバランスよく書く練習をしました。本人も自分に自信を持つことができ、長年の悩みが無くなったと喜んでいました。
3「あれ」と思えば、できるだけ早く診断を受けることが未来につながります
日常的にお子さんと接している親だからおそ、「おや?」と思う発見があります。その「おや?」にふたをせず、医療機関や相談機関で早めに相談して頂けると一緒に「おや?」「どうして~ができないのかしら」という悩みを解決していけると思います。
解決するには専門家のアドバイスが必要な事なんだと、知って頂くことができることも本人に、大きな変化をもたらします。2次的な障害を軽減することもできます。
相談するというのは、ハードルが高くてと見て見ぬふりをしてしまうことがあるかもしれません。ただ、そのことが20歳を超えて大きな問題になって、就職が決まらない、本人が自分に自信を持てないので動き出せないとなってしまわないことを願っています。
東京福祉専門学校のキャリアデザイン科は、そんな発達障害かしら?と親が疑問に思う、本人も自分がそうかもと心配している方にも比較的多く通っていただいています。小さい頃は大変だったけど、今はもう良くなったと思っているけど・・・、仕事や就職となったら、どうなるのかしら?等、心配だなと感じておられる方は是非、本校のキャリアデザイン科のHPや資料の請求をしてみてください。そんなお子さんたちが、自分にあった進路を1年間でしっかり見つけ、自分を少し好きになって卒業しています。日本の社会には、お子さんにあった仕事がきっとあります。自分に自信を持てる仕事があります。どうしようと悩んでおられるようであれば、ご連絡下さい。
親だけが、本人だけが、一人で悩まないで良い社会を目指しています。
山岸 有里 先生
精神保健福祉士・臨床心理士・公認心理師の資格をもち、本校学生相談室を担当しながら心理カウンセラー科の講師も担当する。
座右の銘:未来の自分にとって優しい選択をする