コラム

未来の自分のために出来る事。  ~ニューロダイバーシティって知ってる?~

「ニューロダイバーシティ( Neurodiversity) 」という事が最近注目されているのを知っていますか?

簡単に言うと、発達障害を「神経や脳の違いによる個性だ」という考え方のことです。「脳の多様性」という訳になります。
今回は、世の中の流れから自分を知って、未来の自分に希望を持つきっかけになればと思ったので、最近の話題を紹介したいと思います。

1 ニューロダイバーシティって何?
2 自分を知って、自分を認めていく
3 未来の自分のために今、何ができるのか

 

1 ニューロダイバーシティって何?

社会学者Judy Singer氏が提唱した言葉です。始まりは、自分の家族に発達障害の人がいて、そこから色々と考えるようになったそうです。社会の理解や、一般の人たちの知識も高まって、発達障害への一定の理解はあると感じる。しかし、一方で当事者やその家族から見て、生活がしやすいと言えるか?自由だと言えるか?と考えるとまだまだ不十分と感じるとのことでした。
ニューロマイノリティ(神経学的な少数派)も、ジェンダーや人種と様々ありますが、1つのカテゴリーとして尊重されるべきで、正しく理解し、評価される社会を目指すという社会運動的な考え方と言えるでしょうか。

 

2 自分を知って、自分を認めていく

本当の自分を知るのは難しいですね。自分が、自分の事を一番知っているとも言えますが、一方で他者から見える自分も相手にとっては自分(私)を知っているということになります。
他者からの評価を受けて、自分を理解するという場面も多くなるのが現実社会です。「相手に合わせながら話すのが苦手」「自分の思いを伝えるのが苦手」「自分の考えを上手くまとめることが苦手」「感情のコントロールや切り替えが苦手」等がある人たちは、誤解されやすいと思います。本当の自分を分かってもらうためには、時間もかかるでしょう。
他者から見える自分を知って、そんな自分を他者と同じように評価していませんか?自分の評価は、自分で付けてください。自分を認めて下さい。苦手もありますが、得意なこともちゃんとありますよね。他者評価をうのみにして、自分は何をやっても駄目だとか、就職なんか絶対できないなどと考えていませんか?そんなことはありません、世の中は変化しています。皆さんを取り巻く社会も、成長しています。その1つが、今回紹介している「ニューロダイバシティー」です。

3 未来の自分のために今、何ができるのか

そうは言っても、他人の評価はとても気になります。私もそうです。他者が、社会が自分を認めてくれると、自信が持てます。発達障害を認め、尊重している例を少し紹介したいと思います。
有名な例では、Googleの事例があります。大学のニューロダイバーシティの研究者と協力して、自閉症の当事者を採用しています。採用の方法も、他の人たちとの採用面談とは違って、脳の特性に合わせて面接時間を変えたり、質問も事前に伝えたりして別の方法で採用しています。
マイクロソフト社も同じように、発達障害の特性にあった仕事内容で正社員で採用しています。柔軟な発想や、常識にとらわれないアイデアが企業に利益をもたらすからです。
日本でも、アクサ生命保険が、ダイバーシティ&インクルージョン施策として職場の環境整備を行っています。デジタルハーツ、ヤフーなど、まだまだありますので、是非調べてみて下さい。
2021年の野村総合研究所の調べでは、発達障害の方々の活躍の場を作らないのは、2兆円以上の損失になっているというデータまであります。少子高齢化というのを知っていますか?今の日本は、非常に人材不足なのです。だから、特性を活かして働く、活躍する人が必要とされる世の中なのです。

私たち、東京福祉専門学校も多様性を認める社会、公平に様々な特性を発揮できる社会を目指しています。このような取り組みは、最初は小さな点からですが次第に周囲や社会を巻き込み、大きな変化をもたらしていきます。社会も人と同じように成長していくからです。皆さんも一緒に、このような社会の実現を目指してみませんか?

特にキャリアデザイン科は、特性を活かす方法を知る学科です。生きづらさを感じている人がいたら、自分の未来のために今、何ができるのかを考えてみませんか?同じ悩みを持って、一緒に考えてくれるクラスメイトがいます。先生がいます。あなたの親も巻き込んで、一緒に将来を考えていく時間を作っています。どんな大きな変化も、最初は小さな1歩から始まります。特性を理解しようとしてくれる、認めてくれる学校で学びながら、自分を知ってみませんか?本当の自分をまだ知らないかもしれません。学校の考え方や、具体的に何をする学科なのかを見に来てください。お待ちしてます。

関連学科

キャリアデザイン科【1年制】
対象:高校卒業以上の方

学びやすい環境で自分に合った将来の道を探したい!

詳細はこちら

この記事をシェアする

この記事を書いた人

山岸 有里 先生

精神保健福祉士・臨床心理士・公認心理師の資格をもち、本校学生相談室を担当しながら心理カウンセラー科の講師も担当する。

座右の銘:未来の自分にとって優しい選択をする

カテゴリー