コラム

お金の話【進学にどれくらいのお金が必要?】

=目次=

1 進学にどれくらいのお金が必要?

2 就職するとどれくらいの収入があるの?

3 進路の選び方

1進学にどれくらいのお金が必要?

進学にはお金が必要です。一番お金がかからないと言われている公立の学校でも、0円というわけにはいきません。義務教育の小学校でも6年間で100万円以上かかります。授業料やその他の活動で求められる諸経費も必ず必要です。中学校も同じく義務教育の公立でも、3年間で150万程度かかります。私立の中学では約400万円はかかりますので、学校選びもお金との相談が必要です。

高校からの進路はさらに広がります。公立や私立高校以外にも、通学形態やサポートの内容で、「通信制高校」や「サポート校」なども選べます。今は選択肢が広がって、「自分に合った学校を見つける」ことができるようになってきました。勿論それぞれ、金額は異なります。通信制高校は、私立だと18万円程度。サポート校は少し幅がありますが約30~80万円くらいです。心の面をサポートや、学習面のサポートなど内容も様々です。

2020年4月から大学の無償化制度も始まり話題となりましたが、0円というわけではありません。無償化されるのは、学校教育費の授業料だけですので、その他必要な教育費は自己負担です。もちろん、授業料だけでも無償化されると必要なお金は少なくて済みます。

大学では、私立の文系大学4年間だと約500万円程度。専門学校の2年間ですと250万程度です。幼稚園~大学までに親が準備するお金は、全て公立であっても約800万円。私立だと約2000万円だと言われています。標準的なルート(全体の6割以上が選択している進路)で換算すると、合計は約1100万円だそうです。

 

2 就職するとどれくらいの収入があるの?

一般雇用の平均年収や、月収はニュースでも取り上げられます。不景気が続くと変動もありますが、正社員ですと平均約32万円程度。非正規社員だと約21万円程度だそうです。ちなみに、障害者雇用という雇用形態もあります。障害の内容によって、働ける時間も大きく違ってきますので、収入も様々ですが約13~21万円程度と言われています。この雇用形態で就職するためには、障害者手帳の取得が必要となります。そのため、この収入に障害者年金という月収入で約6~8万円の収入が加算され、非課税ともなります。住居の手当もありますのでこれを収入に加算すると、一人で暮らしていくことも可能です。就職もまた、進学と同じでお金のことも一緒に考えながら、どのような就職をするのか、自分に合わせた労働の選択肢を選ぶことが自分の人生をどう生きるのかの大きな選択肢になります。

3 進路の選び方

自分に合った選択ができる、様々な生き方が可能となった現代では、多くの可能性があります。まだ見えない明るい未来もあります。とはいえ、選択肢が増えると、親も自分の子どもに合った進路を考えるのは本当に大変です。色々な相談機関や、現在所属する学校の先生に相談しながら決めるのだと思います。

キャリアデザイン科に入学される方は、同年代の約6割以上が選択するいわゆる普通の進路では、将来が不安で色々と悩まれている方々が多いです。年齢も18歳~25歳くらいまでと幅も広いので、一人ひとりに合った進路の相談に、年に3回以上は本人と保護者と一緒に進路相談を行っています。

「今は、学校に通えているけれど仕事になったらわからない。だから『障害者手帳』を取得しておいた方がいいでしょうか?」。「人と接することが得意ではないので、コミュニケーションの少ない仕事というとどんな仕事がありますか?」。「朝が本当に弱いので、午後からの勤務が可能な仕事ってどんな仕事がありますか?」。等様々ですが、共通するのは将来の人生において、本人が幸せに暮らせる選択肢を選びたいという事です。

障害者手帳を取得するのは、本人の不幸につながると親が考え正社員として普通に就職した卒業生がいました。毎日の仕事に疲れて3か月で、職場に行けなくなってしまいました。親の思いも大切ですが、本人の気持ちや能力、特性ももっと大切です。卒業後も進路相談を行っていますので、その卒業生は障害者手帳を取得して、自分が好きな「モノづくり」の仕事に変わりました。現在は、週4日働いています。親から離れて暮らしたいと言って、別の住居に住んでいますが、毎月3~4万円程度のお金が手元に残っているそうです。そのお金で大好きなプラモデルを買って、休みの日に作っているそうです。残りは貯金したり、両親を食事に連れて行ったともお聞きしました。すぐに正解が選べなくても、本校職員が様々な知識を持っていますので、卒業後も支援をさせて頂いています。卒業後もお電話を頂くことが多いです。少しでも今後の進路選びのお手伝いができたたらいいなと考えています。

 

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この記事を書いた人

山岸 有里 先生

精神保健福祉士・臨床心理士・公認心理師の資格をもち、本校学生相談室を担当しながら心理カウンセラー科の講師も担当する。

座右の銘:未来の自分にとって優しい選択をする

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