コラム

学校職員が行く!~社会福祉科のゼミ活動に潜入編!~

社会福祉科のゼミ活動に潜入調査!

今回、学校を盛り上げる広報スタッフ1名が社会福祉科の教育に潜入してきました!

潜入場所は、医療ゼミナールの田邊ゼミです。田邊ゼミでは、過去に横浜市の寿地区や東京都清瀬市など医療分野と関りが深い場所に学生と訪問し学びを深めています。

社会福祉士の役割とは 「ハンセン病の歴史から考える」

今回の田邊ゼミで訪問した場所は東京都世田谷区にある【日本精神医学資料館】へ訪問してきました。資料館は1979年の東京都立松沢病院の創立100周年のイベントとして初めて公開された資料を常設「資料館」として保存し常時、公開展示することとなったものです。

展示物は、模型や写真(私宅監置や患者など)をはじめ、当時の保護室など約1300点程のものが展示されています。

寿町やハンセン病資料館とあわせて、社会福祉を学ぶことの有無に限らず、「人が人として権利をもって生きることとは」といったことを考えさせられます。

いま、あなたがこの記事を読んでいる瞬間も様々な悩みを抱えた方は多く存在し、数多くの相談者が対応をしていると思います。こういった支援の背景には国が関わる悲しい歴史も数多く存在します。敢えて言葉を稚拙に使うのであれば、「良い支援は、突然生まれたりはしない」ということです。

初めて精神科病院を訪れた広報スタッフにインタビューしてみた!

田邊 「日本精神医学資料館をはじめ、精神科病院へはじめて訪問してみた感想はどうでした?」

松丸「日本精神医学資料館に行き、精神疾患の患者さんが、過去に酷い扱いをされているのを全く知らなかったです。特に印象に残ったのは、お風呂やシャワーを浴びる際に、鳥かごのよう鉄格子にいれられて入浴するなんて・・・。人間が人間じゃなく動物のように扱われている様に感じました。」

田邊 「確かに、衝撃的でしたね。精神疾患という言葉から、どのようなイメージをもっていましたか?」

 

松丸 「私は、精神疾患というと「うつ病」がイメージとしてわきます。ニュースなどでもよく聞くようになったなと思います。悩みを抱えている方に、相談支援やカウンセリングなどでサポートしていくものと思っていました。軽視してはいけないといった印象ももっています。ただ・・・電気治療に関しては正直驚きました。本当にこれで良くなるのかな?といった疑問は正直思いました。」

田邊 「水治療法や電気療法、薬物療法など様々ありますが、治療効果に関してソーシャルワーカーの私としては答えを正直持ち合わせてはいません。ただ、いまとても大切なことを言ってくれました。【本当にこれで良くなるのかな?】という部分です。

治療者や支援者は見通しや効果、仕組みなど理解している上で話したりします。当然ながら、話を聞く方は疑問に感じながら話を聞くわけです。だからこそ、一方的に話すのではなく、相手の表情等を観察し、疑問をもっていないか、不安に感じていないかなどを注意し、時には代弁するなどコミュニケーションをとっていく必要があります。ここが、話を聞くだけではない専門職の技術となります。」

 

田邊 「訪問して、学校に戻ってきてからどのような気持ちでしたか?」

松丸 「正直、ものすごく重たい気持ちになりました・・・。」

田邊 「重たい気持ちとは?」

松丸 「人が人じゃないように扱われる。人を運ぶ(病院間の搬送)にしても、荷車であったり、手枷や足枷をつけたりで虐待ではないかと思いました。本当に日本で行われていたことなのかと・・・・。」

田邊 「現在の状況で考えれば当然違和感があると思います。ただ、一番怖いのが集団同調することです。多数の意見に異を唱えることは、とても勇気がいります。時には、異を唱えることにより異常者として扱われることや、笑い者にされることもあります。こういった現象は、covid-19でも近しい現象があるかもしれませんね。

しっかりと一人一人の声に耳を傾け、人としての権利を擁護するのがソーシャルワーカーの仕事なので向き合わなければいけませんね。そのため、過去の歴史をしっかりと理解した上で、同じ過ちを繰り返さないように実践していかなければなりません。」

 

田邊 「最後に、福祉を目指す高校生へメッセージをお願いします。」

松丸 「人が人としてしっかり権利をもって生きることに、寄り添えるようになってほしいです。」

精神医学の歴史とハンセン病を比較すると、とても類似することがあります。それは、人間としての尊厳が損なわれ、患者の人権が失われているところです。ソーシャルワーカーの仕事は?と問われれば、「権利擁護」と答える方も多いと思います。

歴史を学び、知識を学び、技術を学び、「権利擁護」の実践を実施していきたい方の入学をお待ちしています。

今回の精神医学資料館の見学の様子はInstagramに動画を公開しています!動画はこちら!

さらに社会福祉科のクラスの様子をもっと知りたい方は社会福祉科Instagramをチェック!

【参考】

日本精神医学資料館リーフレット~143年のタイムスリップ。精神科の未来のために。~

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この記事を書いた人

田邊 慎悟 先生

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