コラム

少子高齢化社会における社会福祉士の役割

はじめに

「少子高齢化」と聞くと、社会の大きな問題で、自分たちの生活とは関係ないように感じるかもしれません。
しかし実際には、みなさんのおじいさん・おばあさんや親、そして自分自身の将来に直結する課題です。
ここでは「祖父母」「親」「自分」という三つの立場から少子高齢化を見つめ直し、具体的な事例を交えて考えてみましょう。

祖父母のこと ― 高齢化の影響と事例

おじいちゃんやおばあちゃんが年を重ねるにつれて、健康や生活の心配が増えていきます。

高齢化による身近な事例

• 独居高齢者と孤独死:一人暮らしの高齢者が増えています。地域とのつながりが薄れると、誰にも気づかれずに亡くなってしまう「孤独死」という深刻な問題が起きています。

• 買い物難民:車を運転できなくなった高齢者が、近くにスーパーがなくて日用品や食料の購入に困ることがあります。

• 坂道問題:地方や住宅地に多い坂道は、足腰が弱った高齢者には大きな障害です。「家に帰れるけれど、坂を上がれない」という状況も珍しくありません。

社会福祉士は、こうした課題に向き合います。
地域包括支援センターでは定期的な見守りや支援制度の紹介を行い、買い物が難しい人には移動販売や宅配サービスを紹介するなど、安心して暮らせる生活をつなげていきます。
「祖父母が安心して暮らせるように支える」ことは、社会福祉士の大切な仕事の一つです。

親のこと ― 少子化の影響と事例

親の世代には「子どもが少ない社会」での苦労があります。

少子化による身近な事例

• 教育費の負担増:兄弟姉妹が少ない分、一人あたりの教育費や習い事にかけるお金が大きくなり、家庭の経済的負担が増えています。
• 働きながらの子育て:保育園や学童の利用が必要になる中で、職場と子育ての両立が大きな課題になっています。
• 地域のつながりの希薄化:近所に子どもが少ないため、「放課後に一緒に遊ぶ友達がいない」といった状況も生まれています。

社会福祉士は、子育て家庭が抱える悩みに寄り添います。子ども家庭支援センターやスクールソーシャルワーカーとして、親の育児不安や経済的困難に対応する仕組みを整えるのも役割です。
「親が安心して子育てできる社会」を支えることも、社会福祉士の重要な仕事です。

自分のこと ― 少子高齢化の影響と事例

高校生である「自分自身」にとっても、少子高齢化は無関係ではありません。

少子高齢化が高校生に関係する事例

• 進学の悩み:大学や専門学校の学費は高く、家計への負担が大きいです。少子化により私立学校は生き残りをかけて競争が激しくなり、進学先の選択肢にも影響が出ています。
• 就職の現実:働き手が少なくなる社会では、若者に早くから大きな役割や責任が求められます。一方で、人手不足のため就職口は広がりやすいという側面もあります。
• 社会保障の不安:医療保険や介護保険、年金などは高齢者を支える仕組みですが、少子化で支える人が減ると、「自分たちが大人になったときはどうなるのだろう」と不安に思う人も多いでしょう。

社会福祉士は、若者が進学・就職・生活に悩んだときに相談にのり、必要な制度や支援につなぐ役割を担います。
「未来を安心して描けるように支える」ことも、社会福祉士の大事な役割なのです。

おわりに

祖父母を考えると「高齢化の問題(独居、孤独死、買い物難民、坂道など)」が、
親を考えると「少子化の問題(教育費、子育て負担、地域のつながり)」が、
自分の将来を考えると「少子高齢化による進学・就職・社会保障の課題」が見えてきます。
これらはすべて身近な出来事であり、家族や自分自身に直結する問題です。
社会福祉士は、そうした問題を一つひとつ受け止め、解決につなげる専門職です。
「人の役に立ちたい」「身近な人や地域を支えたい」と思うなら、社会福祉士という道を考えてみてください。
あなたの学びが、家族を、そして社会全体を支える力になるのです。
東京福祉専門学校の社会福祉科では、授業で学ぶ知識を詰め込むだけでなく、“体験学習”を通してソーシャルワークを必要とする方々の生活を知り、支援する方法を学びます。3年次からは【児童福祉専攻】【医療福祉専攻】【総合福祉専攻】の3つの専攻から、より深く学びたい分野の専攻を選択し、あなたの興味に合わせた専門的な内容を深く探求していくことで、より社会の課題に対応することができる社会福祉士を目指していきます。
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