コラム

介助犬と作業療法

「介助犬」という働く犬のことをご存知ですか?

介助犬とは手や足に障がいのある人の日常生活動作を手助けする犬のことです(引用:日本介助犬協会)。主に、介助犬は使用者の手助けとして以下のようなことをします。

 

  • 落とした物を拾う
  • ドアを開ける
  • 上着、靴下や靴を脱がせて、かごの中に入れる
  • 冷蔵庫から飲み物を取ってくる、冷蔵庫を閉める
  • 携帯電話を探して取ってくる
  • 扉の開閉

 

使用者の障害は人それぞれなので、これ以外に使用者の要望に応じて訓練を行い、要望に合った介助を行うこともあります。

 

身体障害者補助犬法において、作業療法士は介助犬の訓練を行う上で協力体制を築く専門職の1つに定められています。

 

「なぜ、犬を訓練していくのに作業療法士が関わるの?」「作業療法士がどう関わるの?」と疑問を持つと思うので、少しご紹介したいと思います。

 

犬や猫のお世話にどんなことがあるのか想像してみてください。

散歩に行ったり、エサをあげたり、トイレを綺麗に整えたり、ブラシングをしたりと、犬や猫を飼ったことがない人でも、たくさんあるのが想像できると思います。介助犬の使用者となる方は手足に障害のある方です。使用者と介助犬との信頼関係を築くためには、使用者自身が世話を全て行う必要があります。

 

介助犬の日常的な世話の中で1番苦労することはトイレです。排泄した物を介助犬に拾ってもらうことはできないので、様々な工夫がされます。これらの工夫を考えるのも作業療法士の役割の1つです。使用者の安心・安全のために介助犬の訓練士と一緒に協力をして、訓練を行っていく必要があります。

 

使用者の中には進行性の疾患をお持ちの方もいらっしゃいます。使用者の病気の進行に伴って、介助犬に更なる訓練を行うことが必要になります。また、お世話に必要な道具を使いやすく改良した「自助具」を変更することも検討する必要があります。

 

介助犬の訓練士は「介助犬を育てる・訓練をする専門家」ですが、使用者となる肢体不自由者の方と専門性を持って関わることはできません。作業療法士を始め、医師や理学療法士などの医療系有資格者と介助犬訓練士が協力し合って訓練を進めていくことで、使用者の方は介助犬との安心した生活を送ることができます。

 

肢体不自由者の方の社会参加の促進のために、作業療法士は介助犬の訓練に大きく関わっていきます。病院や施設で働くイメージの強い作業療法士ですが、それ以外の場所にも活躍が期待される場があるのです。

 

2021年7月28日(水)のオープンキャンパスでは、介助犬が実際に学校に来てくれます!
訓練の様子や方法を体験できる貴重な機会となりますので、興味がある方はぜひ遊びに来てくださいね。
お申込みはコチラから。

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この記事を書いた人

德備 夏子 先生

高等学校で介護福祉士を取得、その後大学に進学し作業療法士を取得。病院や高齢者施設で両資格を活かし現場で働きながら大学院にて修士課程を取得。 そのキャリアを活かし現在、教員を務めている。

座右の銘:いっせーのでみんなに良いこと起こりますように

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