コラム

発達障害と言われたら、どこに相談に行けばいいの?

発達障害についての理解が深まる中、子どもが発達障害かもしれないと感じたとき、どこに相談すればよいのか悩むことはあると思います。そんなとき、どこに相談をしに行けばいいか知っておくと、不安なとき困った時に役にたつと思います。今回は自分の子どもが発達障害かもしれないと思った時に相談できる場所やその流れについて説明します。

 

日本における発達障害の人数

発達障害を抱える人の数は年々増加しています。以下は、厚生労働省や文部科学省からの統計データです。

  • 発達障害の推計人数: 厚生労働省の調査によると、発達障害と診断された人は約48万人とされています。また、発達障害のある人は、全体の約8.8%に達するという調査結果もあります。
  • 特別支援学級の在籍者数: 文部科学省の調査によると、特別支援学級に在籍する児童生徒は約35万3400人で、その中には自閉症や情緒障害の生徒が多く含まれています。
  • 増加の背景: 発達障害の認識が高まる中で、診断を受ける人が増えていることも影響しています。以前は診断されなかった子どもたちが、今では「発達障害かも?」と考えられるようになり、支援を受ける機会が増えています。

 

発達障害とは何か

発達障害は、脳の発達に関連する障害であり、主に以下の3つのタイプに分類されます。それぞれの特性や症状について説明します。

・自閉症スペクトラム障害(ASD)

自閉症スペクトラム障害(ASD)は、対人関係やコミュニケーションに困難を伴う発達障害です。以下のような特性があります。

  • 社会的相互作用の困難: 他者との関係を築くことが難しく、友達を作るのが苦手です。
  • コミュニケーションの障害: 言葉の理解や使用に困難があり、非言語的なコミュニケーション(表情や身振り)も苦手です。
  • 特定の興味や行動のこだわり: 特定の物事に強い興味を持ち、同じ行動を繰り返すことが多いです。
  • 感覚の過敏さ: 音や光、触覚に対して敏感であることがあり、環境の変化に対して不安を感じやすいです。

・注意欠陥多動性障害(ADHD)

注意欠陥多動性障害(ADHD)は、注意力の持続が難しく、多動性や衝動性が特徴の発達障害です。主な特性は以下の通りです。

  • 不注意: 注意を持続することができず、物事を忘れやすい、集中力が欠けることが多いです。
  • 多動性: 落ち着きがなく、じっとしていることができず、常に動き回る傾向があります。
  • 衝動性: 順番を待つことができず、思いついたことをすぐに行動に移してしまうことが多いです。

ADHDは、幼少期に多く見られますが、成長するにつれて特性が変化することがあります。

・学習障害(LD)

学習障害(LD)は、知的能力に問題がないにもかかわらず、特定の学習分野で困難を示す発達障害です。以下のような特性があります。

  • 読み書きの困難: 読むことや書くことに著しい困難があり、特に漢字や文章を書くことが苦手です。
  • 計算の困難: 数学的な計算や推論が難しく、数の概念を理解するのに時間がかかることがあります。
  • 言語の理解: 聞くことや話すことはできるが、特定の学習においては理解が難しいことがあります。

学習障害は、特定の分野においてのみ困難が見られるため、他の分野では優れた能力を発揮することもあります。

 

発達障害の理解と支援の必要性

発達障害は、外見からは分かりにくく、特性や困りごとは個々に異なります。そのため、周囲の理解と適切な支援が重要です。発達障害のある子どもが自分らしく成長できるよう、早期の気づきと支援が求められます。特に、教育現場や家庭での理解と配慮が、子どもたちの社会適応能力を高めることにつながります。

このように、発達障害にはさまざまな種類があり、それぞれに特有の特性があります。理解を深めることで、より良い支援が可能となります。

 

相談先の選択肢

子どもが発達障害の可能性があると感じた場合、以下のような相談先があります。

 発達障害者支援センター

発達障害者支援センターは、発達障害のある子どもやその家族を対象に、総合的な支援を行う専門機関です。各都道府県や政令指定都市に設置されており、基本的に無料で利用できます。ここでは、以下のようなサービスを受けることができます。

  • 相談支援: 日常生活や学校生活での困りごとについて相談できます。
  • 専門家によるアドバイス: 医療や教育、福祉に関する専門家が在籍しており、具体的な支援方法を提案してくれます。

 教育センター

教育センターは、発達障害に関する教育的な支援を行う機関です。特に、学校での支援や教育に関する相談が可能です。ここでは、以下のような支援が受けられます。

  • 学校との連携: 担任教師や特別支援教育の担当者と連携し、子どもに合った教育環境を整えるためのアドバイスを受けられます。
  • 教育プランの作成: 子どもの特性に応じた教育プランを作成する手助けをしてくれます。

 精神保健福祉センター

精神保健福祉センターでは、発達障害や精神疾患に関する相談を受け付けています。ここでは、以下のようなサービスが提供されます。

  • カウンセリング: 精神的なサポートを受けることができ、親の不安やストレスについても相談できます。
  • 医療機関の紹介: 必要に応じて、専門の医療機関を紹介してもらうことができます。

 児童相談所

児童相談所は、子どもに関するさまざまな問題について相談できる機関です。発達障害の疑いがある場合も相談が可能です。ここでは、以下のような支援が受けられます。

  • 相談支援: 子どもの行動や発達についての相談ができ、必要に応じて専門機関への紹介も行います。
  • 家庭支援: 家庭内での問題解決に向けた支援を受けることができます。

 地域の保健所や福祉課

地域の保健所や福祉課でも、発達障害に関する相談を受け付けています。ここでは、以下のようなサービスが提供されます。

  • 相談窓口: 発達障害に関する基本的な情報提供や、必要な支援機関の紹介を行います。
  • 地域の支援ネットワーク: 地域における支援機関との連携を図り、総合的な支援を受けることができます。

 

相談の流れ

発達障害の相談を行う際の一般的な流れは以下の通りです。

 事前準備

相談を行う前に、以下の情報を整理しておくとスムーズです。

  • 子どもの行動や発達の特徴: 具体的な困りごとや気になる行動をメモしておきます。
  • 家族の状況: 家族構成や子どもとの関係性についても整理しておくと良いでしょう。

 相談先の選定

上記の相談先から、最も適切な機関を選びます。初めての相談の場合は、発達障害者支援センターや教育センターが適しています。

 相談の実施

予約が必要な場合は、事前に電話やメールで予約を行います。相談当日は、整理した情報をもとに具体的な相談を行います。

 フォローアップ

相談後は、提案された支援方法やアドバイスを実行し、必要に応じて再度相談を行います。定期的に進捗を確認し、必要な支援を受け続けることが重要です。

 

 

自分の子どもが発達障害かもと言われ不安を抱えている保護者の方へ

あなたは一人ではありません: 多くの親が同じような不安を抱えています。まずは、あなたの気持ちを誰かに話してみることが大切です。信頼できる友人や家族、または専門家に相談することで、少しでも心が軽くなるかもしれません。

・早期の相談が大切です: 不安を抱えたまま過ごすよりも、早めに専門機関に相談することで、適切な支援を受けることができます。早期の支援が、子どもの将来に大きな影響を与えることがあります。

・あなたの気持ちを大切に: 子どもに対する愛情や心配は、すべて大切な感情です。自分を責めず、あなたの気持ちを大切にしてください。子どもと一緒に成長していく過程で、あなた自身もサポートを受けることが重要です。

 

 

まとめ

子どもが発達障害の可能性があると感じたときは、早めに専門機関に相談することが大切です。発達障害者支援センターや教育センター、精神保健福祉センターなど、さまざまな相談先が存在します。自分に合った相談先を見つけ、適切な支援を受けることで、子どもがより良い環境で成長できるようサポートしていきましょう。発達障害に関する理解を深め、子どもと共に歩んでいくことが、親としての大切な役割です。あなたの不安や心配を少しでも軽くするために、まずは一歩を踏み出してみてください。

 

東京福祉専門学校のキャリアデザイン科には、発達障害の方も入学されています。今までの学校では中々理解されず苦しい思いをしてきた方も、キャリアデザイン科のカリキュラムの中では、ご本人の出来ないところを指摘するのではなく、出来ることに目を向け、得意を活かしていけるような授業になっています。また、発達障害と言われたけど、詳しいことが分からないという方にも、公認心理師や精神保健福祉士の資格を持った職員もおりますので、ご相談にも乗っています。

キャリアデザイン科を卒業した先輩たちも、一番今までで楽しかったと卒業されていく方も沢山おります。ご本人が自分らしく生活できるように、一緒に考えていきますので、進路の選択肢の一つとしてご検討頂けたら幸いです。

 

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