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発達障害の疑いのある学生の就職支援について

発達障害の可能性を感じている18歳から20歳の学生にとって、将来の就職についての不安は非常に大きなものです。「自分は一般就職できるのだろうか?」という疑問は、日々の生活や学業にも影響を及ぼすことがあります。
また発達障害のあるお子様を持つ保護者の方にとって、子どもの将来に対する不安は尽きないものです。「我が子が社会でどのように生きていくのか」「どんな職場で働けるのか」といった疑問は、日々の生活の中で常に頭を悩ませるテーマです。
しかし、発達障害の特性を理解し、適切な支援を受けることで、一般就職の道は開かれています。
近年、企業は多様性を重視し、発達障害に対する理解が深まっています。特に、発達障害の特性を活かせる職場環境が整いつつあり、個々の能力を最大限に引き出すための取り組みが進んでいます。例えば、ルーティーンワークを得意とする方や、創造的なアイデアを持つ方に適した職場が増えているのです。
このでは、発達障害のある学生が一般就職を目指すための具体的な支援制度や実際の事例を紹介し、実際に働ける場所があるかどうか考えていきます。

1) 発達障害の強みと向いている職種
2) 一般就労のメリット
3) 一般雇用就職についての不安・配慮のある就職や利用できる制度やサービスについて(障害者手帳の取得)
4) キャリアデザイン科卒業生の成功事例
5) まとめ

発達障害のある方が得意とすることや向いている仕事については、特性に応じたさまざまな職業が考えられます。以下に、主な発達障害の種類ごとに得意なことや向いている仕事をまとめます。

1)発達障害の強みと向いている職種

1. ASD(自閉症スペクトラム障害)の特性と強み

ASDを持つ人は、以下のような特性を持つことが多いです。
• 高い集中力: 特定の分野に対して非常に高い集中力を発揮することができます。
• 詳細への注意: 細部にわたる注意力があり、正確な作業が得意です。
• ルーチンを好む: 定型的な作業や手順を好むため、安定した環境での業務に向いています。
向いている職種:
• データ入力や分析: 高い集中力と正確性を活かし、データの整理や分析を行う仕事。
• IT関連職: プログラミングやシステム開発など、ルーチンワークが多い職種。
• 経理職: 数字に対する注意力が求められるため、適性が高いです。

2. ADHD(注意欠陥多動性障害)の特性と強み

ADHDを持つ人は、以下のような特性を持つことが多いです。
• 多様な興味: 幅広い興味を持ち、さまざまな分野に挑戦する意欲があります。
• 創造力: 独自の視点やアイデアを持ち、クリエイティブな仕事に向いています。
• 行動力: 迅速に行動する能力があり、変化に柔軟に対応できます。
向いている職種:
• クリエイティブ職: デザインやマーケティングなど、発想力が求められる職種。
• 営業職: 人とのコミュニケーションが多く、行動力を活かせる仕事。
• イベント企画: 多様なアイデアを活かし、企画力を発揮できる職種。

3. LD(学習障害)の特性と強み

LDを持つ人は、特定の学習分野で困難を抱えることがありますが、他の分野での強みを持つことが多いです。
• 視覚的・空間的能力: 視覚的な情報を処理する能力が高い場合があります。
• 創造的な問題解決能力: 独自のアプローチで問題を解決する力があります。
向いている職種:
• デザインやアート関連: 視覚的なセンスを活かせる職種。
• 製造業: 手先の器用さを活かし、具体的な作業を行う仕事。

2)一般就労のメリット

発達障害を持つ学生が一般就労を選ぶ際のメリットは、以下の通りです。
• 職種の幅が広い: 一般雇用では、さまざまな職種に応募できるため、自分の特性に合った仕事を見つけやすいです。
• 給与が高い: 一般雇用は、障害者雇用に比べて給与が高い傾向があります。
• キャリアアップの可能性: スキルを身につけることで、キャリアを築くチャンスが広がります。

3)一般雇用就職についての不安・配慮のある就職や利用できる制度やサービスについて(障害者手帳の取得)

発達障害を持つ学生が就職活動を行う際、以下のような不安を抱えることが多いです。
• 自分が一般企業で働けるのか: 発達障害の特性が職場でどのように影響するのか、また、どのような配慮が必要かを理解することが難しい場合があります。
• 周囲の理解が得られるか: 自分の特性を周囲に理解してもらえるかどうか、また、職場での人間関係がうまく築けるか不安になることがあります。
• 支援制度の利用方法: どのような支援制度が利用できるのか、また、どのように活用すればよいのかが分からないことが多いです。

就職の選択肢

発達障害のある学生が一般就職を目指す際には、以下のような選択肢があります。
一般採用枠での就職
一般採用枠での就職は、発達障害をオープンにせずに働く方法です。この場合、以下のようなメリットがあります。
• 選択肢が多い: 一般採用枠では、職種や業種の選択肢が広がります。
• 高い賃金: 平均賃金が高く、キャリアアップの機会も多いです。
• 周囲の配慮が少ない: 障害をオープンにしないことで、周囲からの過度な配慮を受けずに働ける場合があります。
ただし、発達障害に対する配慮が得られない可能性があるため、注意が必要です。

障害者採用枠での就職

障害者採用枠は、企業が障害者の就職を促進するために設けている雇用枠です。この枠での就職には以下のようなメリットがあります。
• 特別な配慮を受けやすい: 障害の特性に応じた配慮が受けられるため、働きやすい環境が整っています。
• 周囲の理解: 障害をオープンにすることで、周囲からの理解を得やすく、ストレスを軽減できます。

支援制度の活用

発達障害のある学生が一般就職を目指す際には、以下の支援制度を活用することが重要です。
ハローワーク
ハローワークでは、発達障害の特性に応じた職業相談や職業紹介を行っています。特に「精神・発達障害者雇用サポーター」が配置されており、専門的な支援を受けることができます。
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所では、発達障害のある方が就職に必要なスキルを習得するための支援を行っています。職場実習やコミュニケーション訓練など、実践的な支援が受けられます。

ジョブコーチ支援
ジョブコーチは、職場において発達障害のある方が適応できるようにサポートを行います。具体的には、業務の進め方やコミュニケーションの取り方についての指導を行います
・障害者トライアル雇用制度
この制度は、一定期間(通常3か月から6か月)実際に働いてみることで、働く側と雇用側が互いに理解を深めることを目的としています。トライアル雇用を通じて、職場の雰囲気や業務内容を実際に体験することができ、就職後のミスマッチを防ぐことができます。

4)キャリアデザイン科学生の成功事例

Aさん(男性 20歳※卒業時年齢)
一般職として、製造職として就職

自分に自信がなく、メンタル的に不安定なことがある。人間関係がうまく構築できず、働くことができないのではないかと思っていたが、キャリアデザイン科の授業を受けていく中で、人に相談することができるようにたり、計画を立てて物事に取り組むことを学ぶことにより、不安を1人で抱えていて、先に進めなかったこと、計画を立てルことによって、先の見通しを立てると、不安が減ることに気づき、変化のあることよりも、決められたルーテーンをこなすことが得意と気づき、製造職として就職した。就職先の人にも、就職する際の面談で、自分に不安を伝えることで、配属先を考慮してもらい自分にマッチングをした部署に配属してもらうことができて、順調に仕事を続けられています。

まとめ

発達障害を持つ学生が一般就職を目指すことは、決して不可能ではありません。適切な支援制度を活用し、特性を理解した上での就職活動を行うことで、多くの成功事例が生まれています。保護者のサポートも重要な要素であり、子どもが自信を持って未来に向かって進むための力強い支えとなります。
その方の状況によって、一般就労がいいのか、配慮のある障害者手帳枠での雇用がいいのかは変わってきます。職場の環境が理解があり、自分らしく働いて行けることもありますし、無理して一般就労をして苦しい思いをすることもあるかもしれません。東京福祉専門学校のキャリアデザイン科で、お子様の将来について一緒に考えていければと思いますので、いつでもご相談ください。
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