医療に携わる仕事はさまざま!22職種の業務内容を紹介!
医療に携わる仕事に就きたいと漠然と考えているものの、「どのような職種があるのか」や「どのような資格を取得する必要があるのか」が分からず、困っている方もいるのではないでしょうか。
医療系の資格は、高校卒業後の進路によって取得可否・取得スピードが左右されるものもあります。そこでこの記事では、高校生向けに医療に携わる22職種の業務内容を紹介します。卒業後の進路について考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
医療系職種の一覧【22職種】
それでは医療系の22職種について、どのような業務に携わるのか、国家資格が必要なのか比べてみましょう。
職種名 | 国家資格 | 主な業務内容 |
医師 | 〇 | 診察・治療・手術など、医療行為全般に従事する
医療技術を開発する研究職に就くこともある |
看護師 | 〇 | 医師の指示に基づき、診療補助や患者のケアに従事する
点滴や注射などの医療行為も可能 |
助産師 | 〇 | 妊産婦の支援・出産の介助はもちろん、新生児ケアにも従事する
分娩をサポートできるのは医師と助産師のみ |
保健師 | 〇 | 地域や学校などで健康指導や予防啓発活動に従事する
乳児がいる家庭をサポートすることもある |
薬剤師 | 〇 | 処方薬の調剤・服薬指導・薬の管理に従事する
主な活動拠点は薬局 |
歯科医師 | 〇 | 虫歯や歯周病などの歯科診療に従事
口内炎や顎関節症など、口腔に関わるトラブル全般にも対応 |
歯科衛生士 | 〇 | 歯科医師のサポートが主たる業務
歯科予防処置・口腔衛生指導を通じて歯の健康を守る役割も担う |
歯科技工士 | 〇 | 入れ歯・矯正装置・被せものなどの製作・加工・修理に従事 |
視能訓練士 | 〇 | 視力・視野・色覚・眼球運動など視機能に関する検査・訓練に従事
3歳児健診・成人の生活習慣病予防健診に参加することもある |
理学療法士 | 〇 | 運動機能のリハビリテーションが主たる業務
身体が不自由な方の身体機能の維持・回復をサポートする |
作業療法士 | 〇 | 身体・精神に障害がある人が、日常生活・社会生活をより快適に送れるよう、リハビリテーションを通して支援する |
言語聴覚士 | 〇 | 言語・聴覚・嚥下機能に障害がある人を支援する |
臨床工学技士 | 〇 | 生命維持管理装置(人工呼吸器・人工透析装置・人工心肺装置など)の操作・保守点検に従事 |
臨床検査技師 | 〇 | 医師の指示のもと、患者の身体検査を行う
血液・尿・細胞などの各種検査に対応 |
診療放射線技師 | 〇 | レントゲンやCTなどの画像検査を通じ、医師の診断を支援する |
救急救命士 | 〇 | 救急現場での応急処置・医療処置に従事
救急現場や救急車内において、気管挿管や薬剤投与など高度な処置にも対応 |
義肢装具士 | 〇 | 医師の指示に基づき、義手や義足などの製作・調整に従事
リハビリテーションのサポートをすることもある |
あん摩マッサージ指圧師 | 〇 | あん摩・マッサージ・指圧などの手技を使い、身体の不調を緩和する |
はり師 | 〇 | 鍼(はり)を使い身体の経絡やツボに刺激を与え、調子を整える |
きゅう師 | 〇 | 灸(きゅう)を使い温熱刺激を与え、血流を改善したり、痛みを緩和したりする |
柔道整復師 | 〇 | 打撲・捻挫・骨折などに対し、整復や固定などを施す
後療(ストレッチ・運動療法・物理療法など)にも対応 |
公認心理師 | 〇 | 心理的課題に対して、心理相談・カウンセリングなどを通じて支援する
日本初の心理に関する国家資格 |
登録販売者 | ✕
(都道府県知事の登録を受ける公的資格) |
一般用医薬品(第2類、第3類)の販売・相談対応などに従事
販売業務に特化している |
このように、医療系職種の多くは国家資格を取得しなければ従事できません。ただし、登録販売者のように、試験合格後に都道府県知事の登録を受けることで従事できる職種もあります。それぞれの職種の業務内容について、さらに詳しく見ていきましょう。
医師
もっとも代表的な医療従事者である医師(医者)は、病気の診断・治療全般に従事します。医療技術を開発する研究職に就くこともあり、活躍の場が幅広いことが特徴です。ただし、医師になるには大学の医学部で正規課程(6年制)を修めたのち、さらに医師国家試験に合格する必要があるため、その難易度は非常に高いといえるでしょう。
看護師
看護師は、医師の指示に従い、病院や診療所で診察・治療のサポートに従事します。点滴や注射など、医療行為も可能な専門性の高い職種です。看護師になるには、看護師養成課程を持つ学校(大学・短期大学・専門学校など)で所定課程を修了した後、看護師国家試験に合格する必要があります。
助産師
助産師は妊産婦の支援・出産の介助、新生児ケアに従事する職種です。なお、分娩をサポートできる職種は、医師と助産師のみとされています。そして、正常分娩なら助産師は医師の指示がなくても助産行為ができるとされており、まさに出産のスペシャリストといえるでしょう。ただし、助産師になるためには「看護師資格」と「助産師資格」の両方が必要です。また、女性しか助産師にはなれません。
保健師
保健師は、地域や学校などで健康指導・予防啓発活動に従事します。また、乳児がいる家庭をサポートすることもあり、活躍の場が多岐にわたることが特徴です。なお、保健師になるためには「看護師資格」と「保健師資格」の両方が必要なため、難易度が高いことも知っておきましょう。
薬剤師
薬剤師は、薬の管理・調剤をする医療従事者です。なお調剤とは、医師が発行した処方箋をもとに、患者に最適な薬を提供することを指します。薬剤師になるためには6年制の薬学部を卒業した後、さらに薬剤師国家試験に合格する必要があるため、難易度は高いといえるでしょう。
歯科医師
歯科医師は虫歯や歯周病などの歯科診療はもちろん、口内炎や顎関節症など、口腔に関わるトラブル全般にも対応します。歯科医師になるには大学の歯学部(6年生)を卒業し、さらに歯科医師国家試験に合格しなければならないため、やはり難易度は高いです。
歯科衛生士
歯科衛生士の主たる業務は、歯科医師のサポートです。あわせて歯科予防処置・口腔衛生指導を通じ、患者さんの歯の健康を守る役割も担います。なお、歯科衛生士国家試験を受けるためには歯科衛生士の学校・養成所を卒業(見込み含む)しなければなりませんが、合格率は毎年90%を超えています。しっかり勉強すれば歯科衛生士になれるため、医療従事者になりたい高校生の選択肢としては非常におすすめです。
歯科技工士
歯科技工士は入れ歯・矯正装置・被せものなど、歯科治療に必要なものの製作・加工・修理に従事する職種です。高校卒業後に指定の歯科技工士養成学校に入学し、卒業後に歯科技工士国家試験に合格すれば、歯科技工士として働けます。こちらも合格率は90%以上です。
視能訓練士
視能訓練士は視力・視野・色覚・眼球運動など、視機能全般に関する検査・訓練に従事する職種です。3歳児健診・成人の生活習慣病予防健診の視力検査に対応したり、スポーツ選手の視覚能力の向上をサポートしたり、その業務内容は非常に幅広いといえるでしょう。
視能訓練士の学校・養成所を卒業(見込み含む)した後に視能訓練士国家試験を受けることになりますが、合格率は90〜95%であるため、しっかり勉強すれば合格できるでしょう。
理学療法士
理学療法士は運動機能のリハビリテーションが主たる業務で、身体が不自由な方の身体機能の維持・回復をサポートします。病院で「立つ」「座る」「歩く」といった基本的動作のリハビリテーションを担当することもあれば、スポーツ選手のトレーニングをサポートすることもあるなど、活躍の場が広いことが特徴です。理学療法士になる場合、養成校(大学・短期大学・専門学校など)で3年以上学んだあとに理学療法士国家試験を受験します。
作業療法士
作業療法士は、身体・精神に障害がある人が日常生活・社会生活をより快適に送れるように、リハビリテーションを通して支援する職種です。基本的動作ではなく、応用的動作(食事・料理・入浴・学習・仕事など)のためのリハビリテーションをすることで、患者さんの社会復帰を支援します。
また、作業療法士は動作面の技能向上だけではなく、精神面のサポートに対応することも特徴です。身体障害者や高齢者だけではなく、精神障害者や発達障害者の応用的動作もサポートするため、身体だけではなく心理面の知見も求められます。業務内容が広く感じるかもしれませんが、それだけやりがいのある職種ともいえるでしょう。なお、作業療法士になる場合、養成校(大学・短期大学・専門学校など)で3〜4年間学んだあと、作業療法士国家試験を受験します。
関連記事:作業療法士(OT)の役割と仕事内容とは?働き方をわかりやすく解説します
言語聴覚士
言語聴覚士は、言語・聴覚・嚥下機能に障害がある人を支援する職種です。簡単にいうと、「話す」「聞く」「食べる」ことをサポートする職種ともいえます。障害のある方はもちろん、昨今は加齢により身体機能が衰えた高齢者をサポートする仕事としても注目されています。
なお、言語聴覚士になるには文部科学大臣指定の学校か、都道府県知事指定の養成所を卒業し、言語聴覚士国家試験に合格しなければなりません。
臨床工学技士
臨床工学技士は、人工呼吸器・人工透析装置・人工心肺装置などの生命維持管理装置の操作・保守点検のスペシャリストです。資格を取得するには大学・短期大学・専門学校で臨床工学技士養成課程を修了した後、国家試験に合格する必要があります。
臨床検査技師
臨床検査技師は医師の指示のもと、血液・尿・細胞といった検体検査や、心電図・脳波測定といった生体検査など、各種検査に対応する職種です。大学・短大・養成学校などで3年以上のカリキュラムを修了したあと、国家試験に合格すると資格を取得できます。
診療放射線技師
診療放射線技師はレントゲンやCTなどの画像検査を通じ、医師の診断をサポートする職種です。画像検査における被ばく管理も業務の一環といえます。なお、これら放射線を用いた画像機器を扱うには、国が指定した診療放射線技師教育機関で3年以上のカリキュラムを修了し、診療放射線技師国家試験に合格する必要があります。
救急救命士
救急救命士は消防署などに勤務し、救急現場での応急処置・医療処置に従事します。救急現場や救急車内において、気管挿管や薬剤投与など高度な処置にも対応することが特徴です。なお、救急救命士になる方法は2通りあります。1つ目は大学・専門学校などの救急救命士養成課程を修了し、国家試験に合格する方法、2つ目は消防官として勤務しながら実務経験を積み、養成課程を受講した後に国家試験に合格する方法です。
義肢装具士
義肢装具士は医師の指示に基づき、義手や義足などの製作・調整に従事します。また、リハビリテーションをサポートすることもある点が特徴です。厚生労働省指定の義肢装具士養成施設を卒業し、国家試験に合格することで資格を取得できます。
あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師は「あん摩」「マッサージ」「指圧」などの手技を使い、身体の不調を緩和する職種です。文部科学大臣、または厚生労働大臣が認定する学校・養成施設で3年以上学習した後、国家試験に合格すれば免許を取得できます。
はり師
はり師は、鍼(はり)を使って身体の経絡・ツボに刺激を与え、調子を整える職種です。鍼灸師養成学校で3年以上学ぶと、国家試験の受験資格を得られます。なお、試験内容は筆記のみであるため、実務技術は養成学校でしっかり学ぶ必要があります。
きゅう師
きゅう師は灸(きゅう)を使って温熱刺激を与え、血流を改善したり痛みを緩和したりする職種です。はり師と同じく鍼灸師養成学校で3年以上学ぶと、国家試験の受験資格を得られます。試験内容は、筆記のみです。
柔道整復師
柔道整復師は打撲・捻挫・骨折などに対し、整復や固定などを施す職種です。ストレッチ・運動療法・物理療法など、いわゆる後療(後遺症の回復を目的とした治療)にも対応します。柔道整復師養成施設で3年以上学ぶと、国家試験の受験資格を得られます。
公認心理師
公認心理師は日本初の心理に関する国家資格で、心の健康(メンタルヘルス)にまつわるさまざまな問題に対応します。医療分野で働くカウンセラーはもちろん、小中高等学校のスクールカウンセラーや、福祉分野の心理相談員など、活躍の場が幅広いことが特徴です。
公認心理師国家試験を受けるには、4年制大学または4年制専門学校で勉強した後、大学院へ進学するか、認定施設で実務経験を積まなければなりません。高校卒業後に専門学校への進学を希望する場合、進学先が4年制かどうか確認してみてください。
登録販売者
登録販売者は一般用医薬品(第2類、第3類)の販売・相談対応などに従事する職種で、販売業務に特化していることが特徴です。都道府県ごとに試験が実施され、合格すると公的資格を得られます。合格率は40〜50%ですが、しっかり勉強すれば一度目の試験で合格することも不可能ではありません。
医療関係の仕事に就くにはどうする?
さて、ここまで紹介した22職種を含め、医療関係の仕事に就く際には、次の3ステップを意識してみてください。
- 自分にあった職種を決める
- 希望する職種に必要な資格を調べる
- 就きたい職種に特化した学校へ進学する
それぞれ詳しく紹介します。
1.自分にあった職種を決める
一口に医療関係の仕事といっても、治療に関わる仕事、リハビリテーションに関わる仕事、心理に関わる仕事など、業務内容は多岐にわたります。そのため、まずは自分にあった職種が何なのか考えてみてください。
2.希望する職種に必要な資格を調べる
ここまで紹介してきたとおり、医療従事者になるためには特別な資格を取得しなければなりません。希望する職種に必要な資格を調べることはもちろん、受験資格も確認しましょう。各学校のホームページを見れば、受験できる国家資格が紹介されています。
3.就きたい職種に特化した学校へ進学する
多くの医療系資格は、専門的なカリキュラムを設けた学校に進学しなければ、受験資格は得られません。大学・短大・専門学校など選択肢はさまざまですが、しっかりと実務内容も学べ、なおかつ合格実績の高い学校へ進学するとよいでしょう。
まとめ
ここまで紹介してきたとおり、医療に携わる仕事に就く場合、高校卒業後にどの学校に進学するのかが非常に重要です。自分に最適な進学先を選ぶためには、学習内容を調べることはもちろん、オープンキャンパスなどで学校の雰囲気なども確認するとよいでしょう。
東京福祉専門学校では医療従事者になりたい方向けの学科として、「作業療法士科」と「心理カウンセラー科」を設けています。作業療法士科は作業療法士合格率100%を誇っており、さらに希望する場合は幼稚園教諭二種免許・社会福祉主事任用資格を併せて受験・取得できます。また、心理カウンセラー科は4年制であるため、卒業後に条件を満たせば公認心理師国家試験を受験することも可能です。
定期的にオープンキャンパスも開催しているため、作業療法士や公認心理師を将来の進路候補としている方は、ぜひ一度参加してみてください。オープンキャンパスの日程はこちらのページで紹介しています。