作業療法士の魅力とは?やりがいや目指したきっかけを紹介
作業療法士に興味を持っている方の中には、「どのような魅力があるのか?」「やりがいはどこにあるの?」と疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。作業療法士は、病気やけが、障害などによって日常生活に困難を抱える方に対し、「作業」を通して心と体の回復をサポートする専門職です。
この記事では、作業療法士の魅力や、やりがいを感じる瞬間について、わかりやすく解説します。
目次
作業療法士として働く魅力は?
作業療法士は、病気やけがによって生活に支障をきたした方に対し、日常生活に欠かせない動作を支援する専門職です。作業療法士という仕事には、自分の個性や得意分野を活かせる面白さや将来性のあるキャリアパスを築けるなど、さまざまな魅力があります。ここでは作業療法士として働くことの魅力について詳しく紹介します。
身体と心の両面を支える専門職
作業療法士は、心と体の両面から生活を支える存在です。ただ日常動作を支援するだけでなく、その人の人生の背景や趣味、価値観なども踏まえて、仕事や余暇の過ごし方までサポートできるのが大きな特徴です。
病気やけがによって「生きがい」や「自信」を失った方が再び希望を見出し、自分らしく生きる力を取り戻すサポートをすることも、作業療法士の大切な役割です。たとえば、ずっと寝てばかりいた患者さんが作業療法を通じて意欲を取り戻し、いきいきと活動する姿を見ることは、大きなやりがいにつながります。
社会から求められる将来性のある仕事
日本は超高齢社会を迎え、住み慣れた地域で暮らし続ける「地域包括ケア」の重要性が高まっています。作業療法士は、住環境の調整や日常生活の再構築といった面で大きな力を発揮でき、地域社会全体の活性化にもつながります。
医療機関や福祉施設にとどまらず、訪問リハビリなどでも活躍の場が広がっており、今後ますます社会から求められる将来性のある職種です。
他職種や多様な人と協力できる
作業療法士は、医師や看護師、薬剤師、理学療法士、言語聴覚士など、さまざまな専門職とチームを組んで治療にあたります。チーム医療での協働は簡単ではありませんが、目的や目標を共有し、力を合わせて患者さんの改善につながったときの達成感は特別なものがあるでしょう。
また、他職種との関わりを通じて新たな知識や視点を得られるため、自分自身のスキルアップにもつながります。多様な専門家と連携しながら支援できる点も、作業療法士として働く魅力の一つです。
専門性を深めてキャリアを築ける
新人時代は幅広い経験を積むことが求められますが、キャリアを重ねる中で自分の得意分野や関心のある領域を深めていくことが可能です。
身体障害や精神障害、発達障害、高齢者支援など特定分野のスペシャリストとして活躍したり、臨床経験を生かして教育現場で人材を育てたりと、さまざまなキャリアパスを築けます。長期的に成長を実感できる職業であることも、作業療法士の大きな魅力です。
自分の得意や趣味を活かした支援ができる
作業療法士の仕事には、臨床経験や専門知識は欠かせませんが、それだけではありません。日常生活での経験や自分の趣味、特技がリハビリのアイデアになることも多くあります。
たとえば、音楽や絵画、園芸、料理、スポーツなど、自分が好きで続けてきたことが、患者さんのやる気や楽しさにつながる「作業」になる場合もあります。同じ症状を抱えた人でも、生活背景や価値観は一人ひとり違います。そのため、マニュアル通りの支援ではなく、「その人らしい」方法を自分なりに工夫していけるのが作業療法士の魅力です。
自分にとって当たり前だったことが、誰かの人生を変える力になるような経験ができるのも、作業療法士の仕事ならではです。
支援の中で新たな可能性や発見に出会える
作業療法の現場には、決まった正解やマニュアルがあるわけではありません。患者さん一人ひとりに合わせて、その都度最適な方法を試行錯誤しながら見つけていく必要があります。そのため悩むこともありますが、支援を通じて思いがけない発見があるのもこの仕事の魅力です。
たとえば、リラックスするために流していた音楽に患者さんが反応し、それがきっかけで音楽療法に興味を持ったり、患者さんの趣味だったゲームやパソコン操作が、手のリハビリとして効果的だと気づいたりすることもあります。
さらに、患者さんが過去に得意だったことや好きだった活動をリハビリに取り入れる中で、作業療法士自身が新しい知識を得て、思わぬ学びに繋がることもあります。患者さんと一緒に成長していける点も、作業療法士として働く魅力です。
作業療法士の仕事でやりがいを感じる瞬間
ここでは、作業療法士として働く中でやりがいを感じる瞬間について紹介します。
生き方を取り戻す手助けができたとき
作業療法士が関わる「作業」は、食事や着替え、入浴といった日常生活の動作から、趣味や社会活動にまで広がります。さまざまな行動が困難になった人に対し、再び自分らしい生活を取り戻せるように支援するのが作業療法士の役割です。
患者さんが自分らしさを取り戻し、「またやってみたい」と前向きになった瞬間や、表情に笑顔が戻ったときには大きな喜びがあります。生き方そのものを支えている実感が得られることは、この仕事ならではのやりがいといえるでしょう。
回復する姿を見られたとき
作業療法士の支援は、短期間で成果が出ることもあれば、数か月や年単位で長く続くケースもあります。発症から時間が経過した患者さんや高齢者の場合は、目に見える回復が少ないこともあります。
それでも、少しずつ続けてきたリハビリの積み重ねが、動作の改善として現れたときの喜びは大きいものです。小さな変化でも患者さんの努力や時間が詰まっており、その瞬間に立ち会えることは作業療法士としてのやりがいにつながります。
社会復帰のサポートができた瞬間
病気やけがによって日常生活をうまく送れず、社会とのつながりを失いかけた人が、再び自分らしい生活を取り戻していく過程に寄り添えるのが作業療法士の強みです。
「退院後にまた働きたい」「これまで通りに生活したい」など、患者さんが望む生活に近づけるように一緒に方法を考え、環境を整える支援を行います。
たとえ症状が完全に回復しなくても、作業訓練や代替手段を提供することによって、自分らしい暮らしを再構築できたときには、大きな達成感があります。その人らしい社会復帰をサポートできることこそ、作業療法士の役割でありやりがいを実感できる瞬間でしょう。
患者さんから笑顔や感謝を伝えられたとき
作業療法士は、患者さんと日々向き合いながら、心と体の回復を支えるサポートを行います。継続的な関わりの中で患者さんに笑顔が戻ったり、「ありがとう」といった言葉をもらえたりする瞬間があります。時にはご家族から感謝の気持ちを伝えられることもあるでしょう。
そのような感謝の言葉や笑顔が大きな励みとなって、「もっと役に立ちたい」「次の支援も頑張ろう」と思える原動力になります。人とのつながりを感じながら働けることは、作業療法士という仕事ならではのやりがいです。
支援が実ったときの達成感がある
できなかったことが「できる」ようになった瞬間に立ち会えることも、作業療法士としてのやりがいといえるでしょう。
たとえば、手に力が入らずスプーンが使えなかった方が、リハビリの成果によって自力で食事できるようになったり、寝たきりの状態だった方が少しずつ座位を保てるようになったりと、支援が実った瞬間は喜びと達成感が得られるはずです。
作業療法士の仕事で大変なこと
作業療法士の仕事はやりがいが多くある一方で、身体的な負担や精神的なプレッシャーを感じる場面もあります。リハビリの成果がすぐに表れないことも多く、信頼関係の構築やモチベーションの維持に苦労することもあるでしょう。また、リハビリの考え方や制度などの変化に対応するため、常に学び続ける姿勢も必要です。
しかし、このような努力の積み重ねによって患者さんの笑顔や回復につながったとき、大きな達成感が得られます。仕事で大変なことを乗り越えるたびに自分自身の成長も感じられる、やりがいのある仕事です。
作業療法士を目指したきっかけや理由は?
作業療法士を目指すきっかけは人それぞれですが、多くの人が「人の役に立ちたい」「誰かの生活を支える仕事がしたい」という思いを持っています。家族や自身がリハビリを受けた経験から関心を持つケースも多く、身近な体験が進路選びに大きな影響を与えることもあります。
また、「医療の現場に興味があった」「福祉の分野で安定して働ける点に魅力を感じた」という声も少なくありません。作業療法士は、身体だけでなく心にも寄り添える職業のため、やりがいを重視して進路を決めたという人も多くいます。
まとめ
作業療法士の仕事は大変なこともありますが、その分やりがいや達成感も大きく、多くの人の人生に深く関ることができる魅力ある職業です。進路選びやキャリアの参考に、今回紹介した内容がお役に立てば幸いです。
作業療法士を目指したいと考えている方には、東京福祉専門学校がおすすめです。東京福祉専門学校では、日常生活にある「作業」が人にとってどのような意味を持つのかを、体験を通じて深く学べるカリキュラムを用意しています。さらに、週に1回の個別面談により、一人ひとりに合わせた丁寧な指導を行っています。また4年間で作業療法士と幼稚園教諭免許の2つの国家資格取得も可能で、将来の選択肢が広がるのも大きな魅力です。
実際の雰囲気を知りたい方や、資格や就職について相談のある方は、ぜひオープンキャンパス情報もご覧ください。
作業療法士科のオープンキャンパス情報